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「性教育がタブー」なインドで配布した生理用ナプキンは約86万枚 きっかけは東日本大震災 日本人女性が衛生教育活動を続けるワケ
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ふだんは無邪気で明るいインドの少女たち
――実際に池内さんも現地へ行くことがあるそうですが、インドの少女たちはどのような印象ですか?
「みんなおしゃれで、身だしなみに気をつけている印象です。若い女の子がおしゃれに興味を持っているのは、万国共通ですね。とてもきれいに髪を結っている女の子がいたので、『今日はゲスト講師が来て、写真撮影があるから特別に髪を結っているの?』と聞くと、『そんなことないわ。いつもこうよ』と答えてくれました。また、おしゃれなストールを巻いている子が、ジェスチャーで会話しながら、私に巻き方を教えてくれたこともありました」
――現地では、何語で会話するのですか?
「インドは複数言語国家で、南インドのタミル・ナドゥ州は、タミル語しか話せない地域でした。渡航前に学んでいたヒンディー語も英語も通じず、通訳を介してしかお話しできなかったので、距離を縮めるのに難しい部分もありました。しかし、これまで私が出会ったインドの少女たちは、みんな無邪気で明るく、キラキラした瞳が印象的でした。好奇心が強く、ピュアな子どもたちでしたよ」
――そのインドでの衛生教育の取り組みが、今年8年目に入りました。手ごたえは感じていらっしゃいますか?
「はい。私が関わり始めた2018年から毎月2回、年間24回、開催してきました。そろそろ200回になります。私たちガールパワーが協力する前の2010年からこの活動を続けている現地スタッフの話によると、これまでに約9万人の少女たちにこのプログラムが提供され、約86万枚の生理用ナプキンが配布されたそうです。
従来は少女向けに始まったプログラムでしたが、現在は大人向けにも生理用ナプキンの配布が始まりました。8年前に教育を受けた子どもたちは現在、教師となって生徒たちに伝えています。今後も、インドでの衛生教育の活動を続け、女性たちが直面する問題に寄り添いながら、女性が自分らしく自由に生きていける社会の実現に取り組んでいきたいと思っています」
岡山県岡山市出身。1995年、初の著書「リストラ離婚」(双葉社刊)がヒットし、テレビや新聞などのメディアでコメンテーターを務める。これまでに受けた離婚相談は4万件を超え、人生コンサルタントとしても活躍。一般社団法人ガールパワー代表理事。内閣府後援女性活躍推進委員会理事。2025年4月にYouTubeチャンネル「池内ひろ美の離婚の学校」を開設。
(日下 千帆)
日下 千帆(くさか・ちほ)
1968年、東京都生まれ。成蹊大学法学部政治学科を卒業後、テレビ朝日入社。編成局アナウンス部に配属され、報道、情報、スポーツ、バラエティとすべてのジャンルの番組を担当。1997年の退社後は、フリーアナウンサーとして、番組のキャスター、イベント司会、ナレーターのほか、企業研修講師として活躍中。
