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からだ・美容

「生理の貧困」問題を整理した図説イラストに称賛の声「私も寄付したい」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

5人に1人の若者が「金銭的理由で生理用品を買うのに苦労」。議論を呼ぶ「生理と貧困」問題(写真はイメージ)【写真:写真AC】
5人に1人の若者が「金銭的理由で生理用品を買うのに苦労」。議論を呼ぶ「生理と貧困」問題(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 SNSを中心にさまざまな議論を呼んでいる「生理と貧困」問題。ところが、意見が交錯した結果、問題の本質が見えなくなっているのではと疑問に感じた1人の女性がいました。その女性が描いた1枚のイラスト図解は現在、ツイッター上で大きな話題になっています。投稿者の渡辺さん(@watanababy2010)に話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

お互いが問題点を理解した上で議論をすることが大切

「生理と貧困」に対する議論は、「#みんなの生理」という団体によるアンケート調査に端を発しました。海外では社会問題として注目され始めているこの問題について、同団体は日本国内の実態を調査するため、インターネットでアンケートを実施。その結果、5人に1人の若者が「金銭的理由で生理用品を買うのに苦労した」と答え、事態は深刻であることが明らかになっています。

 渡辺さんは話題のイラスト図解を描く前に、ツイッターのあちこちで話題にしている人を見かけたそう。そこで、「学校で生理用品を配布」を解決策の1つとして議論している人たちが、大きく4つの立場に分かれていると気付いたそうです。

 
1、親に言えずお小遣いの中から、生理用品代を出さなければならない子ども
2、貧困のため、生理用品代が払えない家庭
3、普通に生理用品忘れてしまい、その日に欲しい子
4、生理について知識がない人

 
 1から3は根本にある問題がまったく別のはずなのに、同じ“生理用品”の話題としてくくられている……と、渡辺さんは違和感を覚えました。そして、議論は論点が合わないままで、言葉の揚げ足取りのような状態になっていると感じたそう。

「例えば、3を前提にしたとします。『ナプキンを使った分、学校に返せばいいじゃない?』という意見は至極まっとうですが、それでは1と2を解決できません。また1の親に対して『たった数百円も払ってやらないのか』はまさに正義なのですが、2の家庭にそれはきつい。どこを前提とした発信なのかが分かれば、お互いもっとすっきりと議論を進められるのではないかなと思いました」

 お互いが問題点を理解し、把握した上でより良い議論をすることが大切。そう考えた渡辺さんは、図解イラストにまず「生理用品なんて子どもに必要ない」とする家庭と「本気でお金がない」とする家庭をそれぞれ描きました。そして、それぞれがどのような支援を必要としているのか、一目で分かるように説明を添えています。2つの家庭の間には「別問題」として、中央にしっかりと線を引きました。

「発信している方々は皆『子どもがつらい』という同じ認識を持っていました。そのため、『どうにかできないか』という思いは同じはずではないかと思ったのです。私の実体験ですが、ツイッターは特に短い文章で感想を述べ合うので前提条件の共有が難しく、『そういうつもりじゃないのに』といった思いをしたことが多々あります。それもイラスト図解を描こうと思ったきっかけでした」

 イラスト図解は話題を呼び、2.5万件もの“いいね”が。また、「素晴らしいです。解像度すごい……」「生理で嫌な思いする人(特に子ども)が少しでも減ってほしいです」「私も寄付したいです。生理が精神的、金銭的な負担にならないといいと思います」など、たくさんの声が寄せられています。