仕事・人生
波乱万丈の人生を楽しみ続けるシンガー由美子さん バブル期の華やかな生活を捨てて32歳で渡仏したワケ
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60歳からの新たな挑戦――2023年、ワインの輸入販売を行う株式会社ミレジムの代表取締役に就任したシンガー由美子さん。一流フラワーアーティスト「花千代」としても知られ、トレードマークのハットにサングラスを身にまとい、ハイブランドのパーティーでも有名な存在です。さらに、コンサルティング会社を経営するビジネスパーソンとしても活躍していますが、その半生は波乱万丈。30代での決断が転機になり、ポジティブ思考で運命を切り開いていったシンガー由美子さんに、話を伺いました。
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バブル時代、料亭文化に浸り充実の日々
シンガー由美子さんは1963年、神奈川県横浜市で誕生しました。幼くして両親は離婚。祖母のもとで育てられ、孤独だった少女時代を救ったのは純文学でした。
高校を卒業すると、会社勤めはしたものの退職し、日本文学の雰囲気に浸りたいと新橋の高級料亭に就職。日本舞踊や茶道なども習い、日本文化に傾倒していきます。
料亭では、著名な作家や政財界のVIPとの交流があり、彼女の聡明さ、知識の豊富さゆえ一目置かれる存在になっていきました。
「客あしらいには長けていたかもしれません。人の気持ちがある程度読めるのではと思っています。毎日、日本経済新聞を隅から隅まで読んで、政治・経済・文化について把握する努力をしていました。私からそんな話を振ることはないのですが、知っていると知らないのでは気配り・心配りや立ち位置が違ってくる。一瞬シーンとなったときに、キーパーソンの興味があるような言葉をぱっと投げかけて、場を盛り上げることを特技にしていました」
折しもバブル最盛期。店が終わってからも毎日、豪華な2次会、3次会へと続き、さまざまな刺激を受け、充実した毎日を送っていました。週末になると、ご贔屓さんたちとハワイでゴルフ。今では考えられない贅沢三昧に浮かれていた時代だったのです。
「そうした恵まれた環境でのVIPとのおつきあいも楽しかったのですが、料亭の中で日本文化にどっぷり浸かっているうちに、外から日本を見ることへの好奇心が芽生えてきたんです」