問題は分けて考えることが大切

　自身の味方をしてくれなかった夫に幻滅し、その原因になった義妹のことも、すっかり嫌いになってしまったという美歩さん。夫婦カウンセラーの原嶋恵さんに、意見をお聞きしました。

「問題は分けて考えるべきです。ひとつは、カフェで雇ってもらえなかったことについて。そもそも義妹が人手を欲していなかったのであれば、いくら美歩さんが働きたいと思ったとしても、雇ってもらえないでしょう。美歩さんは親切心で申し出たのかもしれませんが、店の采配は義妹のするべきこと。誰を雇うかは、たとえ親族であっても他者が口を挟むことではありません」

　もうひとつは、夫との関係。これまでの夫婦関係の中で、夫婦間に溝が広がっていた可能性があると、原嶋さんは指摘します。

「夫からパートをするよう言われていたこともあり、美歩さんは応援してもらえず腹立たしかったかもしれません。ただ、親族での雇用関係は、甘えが出るなどしてトラブルに発展する可能性もあります。その場合、一生のつきあいになるのに、大きな禍根を残すことを心配したのかもしれません。夫からの言葉は確かに厳しいものだったかもしれませんが、決して美歩さんのことをないがしろにしているわけではないと思います」

　離婚を考える前に、自分自身を振り返ってみることが大切では？　と原嶋さん。

「おしゃれなカフェで働きたいのであれば、まず別のお店で働いてみてはどうですか？　そうして努力している様子を見せることで、夫や義妹の美歩さんを見る目が変わるかもしれませんよ」

（和栗 恵）