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GW明けに「なんだかやる気が出ない」と感じたら 食習慣で意識したいこと、避けたいこと

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

朝食は元気の源(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
朝食は元気の源(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 ゴールデンウィーク(GW)が終わり、忙しい日常に戻っている人も多いでしょう。休み明けで、なんとなく「やる気が出ない」「だるい」など、ちょっとした心の揺らぎを感じていませんか。この時期は、新年度から蓄積された緊張や疲労が不調として現れる「五月病」になりやすいともいわれています。そこで、心身のバランスを整えるための食習慣について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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食生活が偏るとストレスに弱い体に

 人はストレスがかかると、身を守ろうとしてたくさんのエネルギーを消費します。つまり、ストレスに対抗するためには、食事から効果的にエネルギーを補給することが大切です。とくにGW期間中は、旅行などでいつもと違う生活リズムを送っていた人もいるでしょう。新年度から蓄積されたストレスが、一気に表面化しやすいタイミングです。

 食生活が偏ると、ストレスに弱い体になってしまいます。「栄養バランスが整った食事を1日3食、決まった時間に取る」ことが理想ですが、今の時代、なかなか難しいこともあるでしょう。そこで、次の3つのポイントから、心がけたい食習慣を紹介します。

意識したい3つの食習慣とは

○その1 朝食を抜かずにとる
 一日で大切なのは、朝食です。私たちの体では、寝ている間も常に臓器などを働かせるためにエネルギーが使われています。そのため、起床時は体内のエネルギーが枯渇している状態に。日中の活動に使われるエネルギーを朝食で補給する必要があります。

 同時に、朝食は体温を上げ、脳や体を活動しやすい状態にします。また、自律神経の副交感神経から交感神経にスイッチを切り替えて、体内リズムを整える役目も。朝に時間がなく食べられない場合は、コップ1杯の牛乳、1本のバナナであれば、手軽にとることができるでしょう。

○その2 たんぱく質を適量とる
 たんぱく質は筋肉をはじめ、あらゆる細胞を作る材料となり、ホルモンの調整にも欠かせない栄養素です。しかし、ストレスがかかると、心身のダメージを修復するために消耗されやすくなります。肉や魚、卵、納豆、豆乳、豆腐、牛乳やヨーグルトなど、動物性と植物性のたんぱく質をさまざまな食材からとるのが理想です。忙しい人は、コンビニエンスストアなどで手に入るゆで卵、サラダチキン、豆腐などを上手に活用してください。「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、女性(18歳以上)のたんぱく質の1日の推奨量は、50グラム以上です。

 また、たんぱく質を構成するトリプトファンは、気分を安定させる“幸せホルモン”のセロトニンを作る材料です。リラックス効果を得られ、ストレスの軽減にもつながるといえます。体内で生成できない成分なので、食事からとることを意識してみましょう。

○その3 よく噛んで食べる
 よく噛むことを心がけることで、唾液の分泌量が増え、消化吸収がスムーズに。早食いの防止にもなり、満足感が高まります。スマートフォンを見ながらの“ながら食べ”は、食事に集中できないのでおすすめできません。

 本来の食事は目(視覚)や鼻(嗅覚)、耳(聴覚)でも楽しむものです。食べることに集中して味わうのが大事です。