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レタスの断面が赤い 食べても平気? 偏食を防ぐコツも 栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

みずみずしいレタス(写真はイメージ)【写真:写真AC】
みずみずしいレタス(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 物価高が止まらないなか、一部の地域では、好天と気温上昇からレタスの価格が安くなったと話題になっています。丸ごと購入して、何日かに分けて食べたいところですが、カットして冷蔵保存していたら、レタスの断面が赤くなっていることも。食べても問題ないのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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赤い色の“正体”は、ポリフェノールが反応したもの

 レタスをカットして、冷蔵庫で保存していたら、いつの間にか切り口や芯が赤くなっていることがありますよね。赤くなったレタスを食べても、とくに問題ありません。これは、ポリフェノールが酸化酵素の働きによって反応したものです。

 たとえば、リンゴやナスなどを切って、しばらくそのままにしておくと変色するのと同じように、レタスも空気中の酸素によりポリフェノールの褐色色素が反応して、赤くなります。これは、レタス自身が切り口から外敵を守ろうとする自然な反応であり、劣化しているわけではありません。

 見栄えが気になる場合は、生のサラダよりもチャーハンや野菜炒め、スープ、みそ汁などの具材として使うと良いでしょう。かさが減るので、たっぷり食べられます。

 一方で、葉が溶けている、茶色の汁が出ている、ぬるぬるする、臭いがあるといった場合は、ポリフェノールの褐色と異なります。腐敗しているので食べずに廃棄してください。

変色を防ぐには包丁を使わないこともポイント

 赤くならないようにするためには、包丁で切らず、手でちぎりましょう。一般的な結球型のレタスは、金属の包丁で切ると、鉄がポリフェノールと反応して赤くなりやすいといわれています。

 丸ごと買ってきたら、芯をくり抜き、キッチンペーパーを詰めて冷蔵庫の野菜室で保存します。使う際は葉を外側から1枚ずつはがし、手で大きめにちぎると赤くなりにくいでしょう。また、カットしたレタスを保存する場合は、塩水やレモン汁にさっと浸けて、水分を取る手間をかけると長持ちします。

さまざまな栄養成分を含む レタスは軽いものがおすすめ

 レタスは約95%が水分で、低エネルギーの野菜ですが、さまざまな栄養成分を含んでいます。たとえば、美肌に欠かせないコラーゲンの生成に必要なビタミンC、必要時に体内でビタミンAに変わり、粘膜を保護して免疫機能を維持するβカロテン、骨や歯の形成に欠かせないカルシウムなどです。

 茎を切ると白い液体が出てくることがありますが、これはポリフェノールの一種で、ラクチュコピクリンと呼ばれるもの。苦味がありますが、鎮静作用や催眠促進効果が注目されている成分です。

 レタスを選ぶ際は、同じぐらいの大きさなら、持ってみて軽いほうを選びましょう。葉の巻きがゆるく、ふわふわしているものがおいしいといわれています。葉は、ハリとツヤがあってみずみずしいものがおすすめです。また、濃い緑色の外葉がついているものは、鮮度が保たれている傾向があります。レタスを丸ごと、おいしく無駄なく食べたいですね。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾