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仕事・人生

パチンコ店のアルバイトから店長を経てMBAを取得 40代ワーキングママの学びの原動力

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

必要だと感じたらすぐ動く 「『ヲトナ』の達人」の学び

 仲さんはもともと、学ぶことが好きなタイプ。店長試験の面接準備では、「自分の強みはポジティブであるが、自分自身を印象的に表現し、かつおもしろいと思ってもらうにはどうするか?」と考えました。

 そして、ポジティブ心理学を勉強し、インストラクターの資格も取得。また、「怒りとは何か?」というテーマに関心を持つと、怒りの感情についての知識を身につけたそうです。

「幸せ」に関するポジティブ心理学の知識と、怒りやハラスメントといった「逆の感情」について学んだことを組み合わせ、理解を深めたことは、店舗の現場でおおいに役立ったと振り返ります。

 ブランド戦略部へ異動後は、上司から「必要なスキルは徐々に学べば良い」と言われていました。しかし、仲さんは自分自身で「これが必要だ」と感じたスキルを、積極的に学ぶことを決意。

 ブランディングの基本をはじめ、マーケティングにおいて顧客の理解に欠かせないデザイン思考について習得。さらには、経営視点や専門スキルを持つ必要があると判断し、仕事をしながら、大学院で経営学を本格的に学ぶことを決めました。

「『この学びを必ず会社に貢献する形で生かす』という約束で、費用は自分で負担し、上司の許可を得て、勤務時間中の週1~2回、学校に通わせてもらいました。通常業務を続けながら学校に通うのは簡単ではなく、大変なことも多かったです。それでも、1年でも遅れると業務がさらに忙しくなり、学びの機会を逃してしまうと予測したため、今すぐやろうと判断して迅速に動きました」

 そしてこの春、2年間の学業を終えて無事に卒業。MBAを取得しました。

「たとえ能力が未熟だとしても、これをやりたいという強い覚悟を持つことで、自然と学び取ろうとする姿勢が生まれると感じています。私の経験上、自ら行動していくその過程で必ずと言っていいほど、仲間や上司、家族など、周囲の人々が支えてくれることに気づきます。そんな人たちの存在のありがたさを感じることで、自分の可能性がまだまだ広がっていると確信できるようになりました」

 必要だと感じたら、すぐに動き、挑み続ける――仲さん自身も、夢中になれることに時間を注ぐ、まさに「『ヲトナ』の達人」なのかもしれません。

 子どもを育てながら、仕事も学びも回してきた仲さん。いったい、どんな時間管理をしているのでしょうか? 次回で伺っていきます。

◇仲奈稚(なか・なち)
1979年生まれ。2006年、株式会社マルハンに入社。2019年~2022年にパチンコ店長を経て、2022年より東日本カンパニーのブランド戦略部(旧マーケティング部)に配属。「ヲトナ基地プロジェクト」の責任者を務める。「人とつながりの力で、人生100年時代に生きるヨロコビを創造する。」という企業パーパスのもと、日常の中に「ヨロコビ」を生み出すブランド活動にも取り組む。趣味はアニメ鑑賞、少年野球コーチ。座右の銘は「心が動いたら即行動」。

(Hint-Pot編集部)