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「誰かに求めてほしい」 女性用風俗のリアルをドラマ化 女性プロデューサーが描いたこだわり
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「心から女性を喜ばせるのが好きで、宝物のように接する」

正井さんやスタッフは、実際の女性用風俗店を取材。そこで感じたセラピストたちの印象を「純粋に『プロの仕事だな』と思いましたね」と言い、仕事に対する意識の高さを感じたようです。
「収入の点では、セラピストはあまり稼げないかもしれません。心から女性を喜ばせるのが好きで、宝物のように接する。マニュアルはあるはずですが、個性をプラスする努力をしている人が多いと感じました。優しいのはもちろんですが、女性を満足させるのは大変ですから」
ドラマには個性豊かなセラピストたちが登場しますが、取材でも、さまざまなセラピストに会ったそう。実在するセラピストをモデルに、原作にはないオリジナルキャラクターも生まれました。
「会話が上手な人もいれば、所作が素敵な人、女性をもてなす準備がうまい人など、いろんな人がいて『こういう友達がいたら』と思うことも多かったです」と正井さん。利用者のなかには、性的な施術を受けずに満たされる人も、少なくないそうです。
夫婦の悩みを解決するため女性風俗店に依頼も

一般的な風俗のイメージと異なり、悩みの解消や心の栄養を求め、活用する女性もいるそう。ドラマでも、それぞれ異なる理由や背景を持つ、さまざまな利用者が登場します。パートナーとのすれ違いなど男女関係に悩む女性や、孤独を感じたり仕事に打ち込んだりしている女性が癒やされる姿に、SNSでは多くの共感の声が寄せられているようです。
「必ずしも事情があるとは限りませんが、対等に話を聞いて受け入れてくれるセラピストと接して、気づいていない悩みが解消される。モヤモヤした気持ちが晴れて、自分を見つめ直すきっかけにもなると感じました。風俗店と聞くと性的な欲求の解消が目的という印象がありますが、それだけではない面も大きいと思いますね」

第3話では、夫婦が悩みを解決するため女性用風俗店に依頼。セラピストがトレーナーとなり、夫の対応を肯定しつつ女性の気持ちをレクチャーすると、妻の心理的な問題が解消されて夫婦関係が復活できました。
性の悩みは、周囲の人には相談しにくいだけに「そうした利用方法があるのか」と考えさせられます。
