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ハチミツを合わせるとメロン味に 「栄養がない」説の嘘・本当…旬のキュウリを知る
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教えてくれた人:和漢 歩実

キュウリは通年出回っている野菜のひとつですが、本来の旬は初夏から。みずみずしさとシャキッとした食感が特徴です。「栄養がない」や「トマトと食べ合わせが悪い」「ハチミツと合わせるとメロン味になる」など、キュウリにまつわるさまざまな情報を見聞きしますが、実際はどうなのでしょうか。キュウリについて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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低カロリーのキュウリに栄養がないのは本当?
キュウリに栄養がないといわれる理由のひとつに、「世界で最もエネルギーが少ない果実(Least calorific fruit)」としてギネス世界記録に登録されたことがあります。確かに、キュウリはおよそ96%が水分で、エネルギーは100グラムあたり13キロカロリーです。しかし、低カロリーだからといって栄養がないわけではありません。
比較的多いのはカリウムです。体内の余分な塩分を排出して、水分バランスを調整する作用があります。むくみや高血圧といった、生活習慣病の予防に役立つ栄養素です。このほか、コラーゲン生成に欠かせないビタミンC、血液凝固に関与し“止血のビタミン”といわれるビタミンK、腸内環境を整える食物繊維などが含まれています。温度や湿度が高くなるこれからの季節に、水分補給もできるキュウリは頼もしい食品といえるでしょう。
キュウリはトマトと一緒に食べないほうが良い?
キュウリはサラダにして食べることが多いかもしれませんが、トマトと一緒に食べると良くないといわれるのは、キュウリに含まれるアスコルビン酸オキシダーゼ(アスコルビン酸酸化酵素)に理由があります。以前は、この酵素がトマトに含まれるビタミンCを酸化させ、破壊してしまうと考えられていました。
しかし近年は、破壊されると考えられていたビタミンCが、再び体内で還元されることがわかっており、トマトとキュウリの食べ合わせが悪いということはありません。むしろ、赤と緑の彩り鮮やかなサラダは、見た目も美しく食欲増進につながります。