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ハチミツを合わせるとメロン味に 「栄養がない」説の嘘・本当…旬のキュウリを知る

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

キュウリはハチミツと合わせるとメロン味になる?

“錯覚レシピ”として、「アボカドとしょうゆでマグロの味」や「プリンにしょうゆでウニの味」、そして「キュウリにハチミツでメロンの味」などが散見されます。味覚は嗜好により個人差があるので、実際にそう感じるかは人それぞれですが、キュウリとメロンでいえば同じウリ科なので、近いものがあるのかもしれません。

 味覚には「五味」と呼ばれる、甘味・塩味・うま味・酸味・苦味の5つがあります。キュウリとメロンで甘味の強さは異なりますが、キュウリにハチミツの甘さが加わることで、人によってはメロン味のように感じるのではないかと考えられます。

 一方、食感には違和感があるかもしれません。メロンは果肉がやわらかくジューシーなイメージなので、シャキッとしたキュウリは別物です。また
キュウリ独特の青臭さも、メロンの甘い香りとは異なります。もし試す場合は、キュウリは板ずりをしたり、皮をむいたりして青臭さをなくし、やわらかい食感にするために斜め切りにスライスしてハチミツをかけると良いかもしれません。

暑い季節におすすめなキュウリの食べ方

 キュウリは夏野菜のひとつで、水分も多く体を冷やす食品です。冷えが気になる人は、炒め物やスープの具材など、温かい料理にして食べると良いでしょう。ほかの食品と合わせることで栄養バランスが整います。暑さバテ対策として、豚肉と一緒に炒めた一品はおすすめです。豚肉は、たんぱく質や疲労回復効果が期待できるビタミンB1を多く含みます。

 昔ながらのぬか漬けも、汗をかくこの時期に、適度な塩分やカリウム、ビタミンB1がとれます。スティック状に切ったキュウリにみそをつけて食べるのも、同様に効果的です。ピクルスなど酢漬けにしたキュウリも、酢酸の疲労回復効果のメリットを得られて、かつ日持ちもするので便利な副菜になります。

 さまざまな「説」があるキュウリ。水分豊富で低カロリー、カリウムを含む特徴と、シャキッとした食感を生かして、食卓に上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾