仕事・人生
子どものいじめに気づかず反省したことも…パチンコ店のアルバイトから店長を経てMBAを取得した40代女性 経験から学んだ時間管理の極意とは
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日々、仕事も学業も、そして育児もこなす仲奈稚さん。パチンコ業界大手・マルハン東日本カンパニーのブランド戦略部で「ヲトナ基地プロジェクト」の責任者を務めながら、この春、MBAを取得しました。さまざまな分野で活躍する女性たちにスポットを当て、その人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。3回目の最終回は、時間管理術や息抜き方法、これからについて伺います。
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育児と仕事、学びを同時に回す時間の管理で大切にしていること
フリーターだった20代にパチンコ店でアルバイトを始め、30歳を前に同社に社員として入社した仲さん。結婚・出産を経て、40歳のときに店長に抜擢されました。そして3年前には、約20年もの間携わってきた店舗現場を離れ、ブランド戦略部に配属。プロジェクトの責任者としてイベント企画をするなど、新しいキャリアを踏み出しました。
さらには働きながら大学院へ通い、この春、2年かけてMBAを取得。仕事と育児、学業を同時にこなす仲さんは、いったいどのような時間管理をしているのでしょうか。
「一番は、日々の優先順位をはっきりさせることを心がけています。たとえば、仕事をする場所によっても優先順位は変わります。在宅勤務のときは資料作成や企画内容の構想に集中することを主とする一方、本社勤務のときは人との対話やコミュニケーションを重視し、対面での意思疎通に力を入れます。移動時間は電車内でできることを優先するなど、毎日の生活の中で時間を無駄にしないようにしています」
そして、家族との時間を大切にするために、年間のスケジュールにも優先順位をつけると仲さんはいいます。
「自分の仕事や学びが理由で、子どもの行事に参加できないのは避けたいので、単身赴任中の夫とは、4月に子どもたちの年間行事予定が出るタイミングで相談。重要な行事の日を、年間スケジュールとしてあらかじめ組み込んで、子どもたちとの時間を優先するようにしています」
頑張るほど疲れ果ててしまった時期も「任せる」ことで解消
というのも、以前は仕事も家事も全力でこなしていたことで「頑張れば頑張るほど疲れ果ててしまった」時期もあったとか。子どもたちから話しかけられても、つい「はいはい、あとでね」とあしらってしまい、子どもの心の変化やいじめに遭っていたことに気づくことができず、深く反省したといいます。
「会社の仲間やお客様のことは気にかけられるのに、どうして自分の子どもや家族にそれができないのだろうか、私はなんのために仕事をしているのだろうかなど、自問自答しました。会社では『人生の喜び』を提供することを掲げていますが、私にとっての本当の喜びは家族の笑顔であるはずだと痛感しました」
家事を自分で完璧にこなそうとせず、家事代行サービスや時短家電、食材キットを積極的に導入。6割できたらOKなどハードルを下げ、得意な料理や自分にしかできないことに注力するようにしたそうです。
「子どもにはお金に関する経験をしてもらいたい思いもあったので、アルバイト形式で家事のお手伝いを依頼しました。ただ、子どもがおこづかい不要な場合は、発動しないこともありましたが(笑)。肩の力を抜いて取り組むようになったら、気持ちに余裕が生まれました」
睡眠不足が続くとパフォーマンスが下がるため、できるだけ睡眠時間を確保することも重要視しているとか。優先順位をつけてこなし、自分ひとりですべてを抱え込もうとせず、ときには「任せる」選択をすることも時間管理の極意といえるでしょう。