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仕事・人生

子どものいじめに気づかず反省したことも…パチンコ店のアルバイトから店長を経てMBAを取得した40代女性 経験から学んだ時間管理の極意とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

自分を整える「息抜きの時間」も大切にする

 気分転換で息抜きすることも大切で、仲さんにとっては家族と過ごす時間、そして少年野球のコーチとしての活動がそのひとつだといいます。

「息子が小学2年生だったとき、友達に誘われて少年野球に参加することになりました。低学年の頃は、私も一緒に行って練習を見ていました。実は、私自身が小学2年生から高校3年生までソフトボールをしていた経験があり、その様子を見ているうちに体がうずうずしてしまい、自然と練習のお手伝いを始めたのがきっかけです」

 しばらくして、コーチから「一緒に指導しませんか?」と声をかけられ、時間があるかないかという問題ではなく「心が動くならやる!」というシンプルな結論で引き受けたそうです。「この時間は、良い意味で仕事を完全に忘れ、今生きていることの幸せを実感するための大切なひと時になっています」と語ります。

 仲さん流の息抜きの仕方は、ほかにも。それはアニメ鑑賞です。そのときの心理状態によって観る作品が変わり、前向きになれるきっかけになるそうです。

「たとえば、目的達成のために仲間を犠牲にせざるを得ない状況では『進撃の巨人』のリヴァイ兵長の姿に共感し、まるで自分もその仲間になったような気分になります。一方で、チームとして諦めずに行動する大切さを感じたいときや、なんのために今の業務をやっているのかを深く考え直したいときには、『ハイキュー!!』や『鬼滅の刃』を観ます。これらの作品は、前向きな気持ちを取り戻すきっかけを与えてくれる存在です」

目指すリーダー像を胸に「ワクワク」を提供

 優先順位をつけながら、オンとオフを切り替えてタスクをこなし、日々成長を続ける仲さんには、目指すリーダー像があります。

「私が考えるリーダー像とは、人の可能性を引き出し、その人の能力を最大限に生かせる存在であることです。そのためには、リーダー自身も常に何かに挑戦し続ける姿勢を持つことが必要だと感じています。新しいことにチャレンジするために、ときには“捨てる勇気”を持つことも必要です。自分が先頭に立って切り開き、その結果、誰かが代わりに担っていけると感じたら、迷わずその人にバトンを渡します。挑戦し続ける一方で、次につなげる覚悟も大切だと思っています」

 そして、挑戦し続けるのに大事なことは「ワクワクする気持ち」。大人になると忘れてしまう、子どもの頃に持っていた遊び心に似た感覚です。

「時間に追われるような生活の中で、ワクワクすることを忘れてしまってはいけないと感じています。ワクワクする気持ちが失われると、思考や創造力も止まってしまうため、そうならないように意識していきたいですよね」

 仲さんが指揮を執る「ヲトナ基地プロジェクト」の次回イベントは、「脳汁」を軸としたフードフェスを構想中とか。これからも多くの大人たちに、夢中になれる瞬間を届けていきます。

◇仲奈稚(なか・なち)
1979年生まれ。2006年、株式会社マルハンに入社。2019年~2022年にパチンコ店長を経て、2022年より東日本カンパニーのブランド戦略部(旧マーケティング部)に配属。「ヲトナ基地プロジェクト」の責任者を務める。「人とつながりの力で、人生100年時代に生きるヨロコビを創造する。」という企業パーパスのもと、日常の中に「ヨロコビ」を生み出すブランド活動にも取り組む。趣味はアニメ鑑賞、少年野球コーチ。座右の銘は「心が動いたら即行動」。

(Hint-Pot編集部)