Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

海外ニュース

「ハーフなんだね」と言われてショックを受けた子も 日本人ママがハワイの子育てで気をつけていることとは

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

ハワイでは「ハーフ・ジャパニーズ」すら適切ではない その理由は?

ハワイで行われた今年のイースターイベント。お菓子詰め合わせセットが当たり、子どもたちは大喜び【写真:i-know】
ハワイで行われた今年のイースターイベント。お菓子詰め合わせセットが当たり、子どもたちは大喜び【写真:i-know】

 では、アメリカのなかでもとくに“人種のるつぼ”であるハワイはどうでしょう。以前、多国籍な雰囲気を感じる女性に出会い「あなたのルーツはどこですか?」と尋ねたことがあります。すると、「アメリカとフィリピンと、日本とスペイン……あと2か国ぐらいあるけど、私自身よくわからない(笑)」という答えが返ってきて、ハワイに移住したばかりだった当時の私は驚きました。

 ハワイには、先住民の「ネイティブ・ハワイアン」や、サモアやフィジーなど太平洋諸島の島々から来た「パシフィック・アイランダー」が暮らしています。さらに、アメリカ本土やアジア、南米など世界各地から移住してきた人も多く、2か国以上にルーツを持つ人が多い島です。

 そのため、先述した「ハーフ・ジャパニーズ」などといった言葉すら適切ではなく、「ミックス」という言葉が使われています。

 ハワイ出身で有名なミックスの著名人といえば、ブルーノ・マーズ。父はプエルトリコ人と東欧系ユダヤ人でニューヨーク出身、そして母はフィリピン出身のフィリピン人です。

 とはいえ、ハワイにはミックスの人がとても多いので、「私はミックスです」「あの人はミックスだね」と言うことも、最近では珍しくなりました。

ルーツが1か国の人は「ピュア」を使う

 逆に、1か国にだけルーツがある人に対しては「ピュア(混じりけのない)」という言葉を使います。たとえば「ピュア・ジャパニーズ(純日本人)」「ピュア・フィリピーノ(純フィリピン人)」のように表現することのほうが多い印象です。

 ハワイ出身の「ピュア・ジャパニーズ」といえば、ウクレレ奏者のジェイク・シマブクロさんです。父方は沖縄県、母方は福島県にルーツを持つ日系5世。ことハワイの日系アメリカ人に関しては、代々「ピュア・ジャパニーズ」を貫いている人が多いのも特徴です。

 ちなみに、ハワイでは(おそらくアメリカ本土も)婚姻の書類や、学校に入学する際に提出する書類に「どこの国にルーツを持つか」を聞く項目があります。

 日本にはない文化なので驚きましたし、いろいろな人種がいる割に(いるからこそ?)カテゴライズしておきたい、アメリカならではの風習かもしれません。

(i-know)

i-know(いのう)

大学卒業後、フリーランスライターに。お笑い雑誌やファッション誌で、著名人のインタビューを中心に活躍。34歳のとき日本のキャリアに一区切りをつけ、単身ニューヨークへ。その後、ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現在は2人の子ども(8歳、6歳)をバイリンガルに育てるべく奮闘している。