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外国人観光客が初めての日本の料理に感激 “神回”続出の人気YouTubeチャンネル 誕生のきっかけとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

フランス人カップルを本格的な寿司店で感激させたDaisukeさん【写真提供:日本食冒険記】
フランス人カップルを本格的な寿司店で感激させたDaisukeさん【写真提供:日本食冒険記】

 外国人観光客に日本食を体験してもらいながら、日本の印象や驚いたことをインタビューしているYouTubeチャンネル「日本食冒険記Tokyo Food Adventures」(以下、「日本食冒険記」)。現在、登録者数55万人の人気YouTubeチャンネルはスタートから8年、多くの訪日外国人に貴重な体験を提供しています。大きな支持を集めるコンテンツ制作を始めた経緯や動画制作の内幕について、運営者のDaisukeさんにインタビュー。前編では、チャンネルを始めたきっかけや、街頭で声をかけるゲスト選びについてお話を伺いました。

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「納豆や梅干しを『これは何か知っている?』と…」

 外国人観光客に日本の印象をインタビューしたり、日本食を食べた感想を聞いたりする動画コンテンツが昨今、増加しています。そうした先駆けとなったのが、「日本食冒険記」です。

「社会人になって10年目くらいですかね。カナダに留学経験があって外国人の友達が多く、友人たちと『路上インタビューをやってみないか』と話したことがYouTubeを始めたきっかけでした」というDaisukeさん。

 当初は、とくに食べ物に関係なく、日本の印象などを聞いていたといいます。

「その後、渋谷のスクランブル交差点で外国人観光客に声をかけて、日本ならではの納豆や梅干しを『これは何か知っている?』と聞いて、実際に食べてもらった感想を話してもらう企画も。1本の動画で3~4組くらい、話を聞いていました」

 現在のコンセプトと異なるためチャンネルに残ってはいませんが、日本食を“冒険”する外国人のリアクションを撮影した点では、原点となった企画。また、外国人の友達と新宿・思い出横丁で焼き鳥を楽しんだり、外国人観光客がラーメンを堪能したりする様子など、早くから今の人気コンテンツに通じる要素が、当時からすでに見られました。

1年ほどで現在につながるコンセプトを確立

 初期は、納豆や梅干しといった、外国人にはなじみがなく、好き嫌いの分かれるものを食べてもらう形が中心でした。そこから大きく方向性が変化した印象があります。そうしたコンセプトの変化は、自然な流れの中で約1年かけて、徐々に確立されていったそう。

「外国人観光客は、おいしい日本食を楽しみに来ています。だからこそ日本ならではの、おいしいものを食べてもらうほうが喜ばれますし、リアクションも良いと感じました。動画の視聴者からの反響も、初めて食べる日本食を楽しんでいる様子のほうが、良かったのもありますね」

 ゲストと視聴者、両方のニーズと合致した動画によって、ファンが徐々に増加。多くの“神回”が生まれ、登録者数55万人の人気チャンネルに成長しました。

 長くチャンネルを続けるなかでは、過去に出演したゲストから「今度、両親が訪日するので、ゲストとしてどうか?」といった相談も受けるそう。さらには、新婚旅行で日本へ来る計画を立てていた夫婦が、リサーチ中に「日本食冒険記」を視聴し、出演を逆オファーしてきたケースもありました。

 実際に出演した経験から、家族を紹介したいと思う信頼感。さらに動画を観てわかる質の高さと安心感が、そうした逆オファーにつながっているようです。