からだ・美容
部屋の中にいても日焼け止めを塗る必要はある? 屋内で有効な紫外線の予防策を医師が解説
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気温が少しずつ上昇し、夏の気配を感じる季節。暑さ対策とともに、紫外線にも気をつけたいところです。部屋から一日中出ないときでも、日焼け止めを塗る必要はあるのでしょうか? 屋内における有効な紫外線の予防方法などについて、豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック副院長の澤口悠医師にお話を伺いました。
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紫外線は窓ガラスを通過して室内に届く
外出せず室内で過ごす場合でも、日焼け止めを塗ることを推奨しています。その理由は、太陽の紫外線に含まれ、肌の奥まで浸透してシミやシワ、たるみなどを引き起こす原因になるUVA(紫外線A波)が、窓ガラスを通過して部屋の中まで届くからです。
UVAは可視光と同様に窓ガラスや曇り空も通過してしまうため、室内で過ごしていても、肌に紫外線ダメージが蓄積される可能性があります。とくに長時間、窓際や日差しが入る部屋にいることが多い方は、朝のスキンケアに日焼け止めを取り入れると安心でしょう。
UVAは、一年を通してほぼ一定の強さで降り注いでいます。そのため、日焼け止めは通年で使用するのが理想です。冬や曇りの日でもUVAは減りにくく、とくに明るい日中や窓際では、知らずに紫外線に当たっている場合もあります。
雪が降る地域の場合、地面に反射した紫外線によってさらにダメージを受けることも。冬は日差しがやわらかく感じるため油断しがちですが、紫外線が肌にじわじわとダメージを与えているのです。
季節や天気を問わず、毎日紫外線対策を行うことが、将来のシミ・シワ予防につながります。日焼け止めを通年使うことで、肌の美しさと健康を長く保てるでしょう。
室内でも日焼け止めの塗り直しは必要?
室内で使う日焼け止めは、外出時に使うものより紫外線カット効果が低いものでも十分な場合が多いです。これは、室内に入る紫外線の強さが屋外ほどではないため。ただし、UVAを防ぐ効果を表す「PA値」が記載されている製品を選びましょう。なぜなら、室内で主に浴びるのはUVAだからです。
室内で過ごす場合、汗をかかない限り、朝に一度しっかり塗っておけば基本的には大丈夫です。もし、一時的にベランダや外に出たり、長時間窓で過ごしたりする場合は、塗り直しや塗り足しをおすすめします。
日焼け止めの効果をきちんと発揮させるためには、適切な量をムラなく塗ることも大切です。顔全体には、パール粒大2個分程度(約2.5ミリリットル)が目安とされています。