からだ・美容
部屋の中にいても日焼け止めを塗る必要はある? 屋内で有効な紫外線の予防策を医師が解説
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肌に負担をかけない日焼け止めの選び方
紫外線予防成分には、肌の中で紫外線を吸収して熱に変える「紫外線吸収剤(化学フィルター)」、肌の上で紫外線を反射・散乱する「紫外線散乱剤(物理フィルター)」があります。紫外線吸収剤は、塗った際に皮膚が白く見えないという優れた特徴を持っている半面、まれにアレルギー反応を起こす方がいます。できるだけ肌への刺激を避けたい方には、室内用の日焼け止めとして以下のようなタイプがおすすめです。
○ノンケミカルタイプ(紫外線吸収剤不使用)
肌への負担が少ない紫外線散乱剤を使用しており、敏感肌でも使いやすく、赤ちゃんにも使用可能な製品が多いです。ただし、白浮きしやすい傾向があります。使用前にしっかり保湿し、ムラが出ないように少しずつ、まんべんなく塗りましょう。
○低刺激タイプ
「アルコールフリー」「香料・無着色」「石けんで落とせる処方」の特徴を持つ製品は、肌に負担がかかりにくいため、毎日の使用に適しています。肌への優しさを重視する方は、これらのキーワードを目印に選ぶと良いでしょう。
紫外線が室内に入るのを防ぐための工夫
日焼け止めと併せて、紫外線が室内に入るのを防ぐ工夫を取り入れることで、より高い予防効果が得られます。
○UVカットカーテン(レースカーテン):自然光を取り入れつつ、紫外線だけを遮ってくれるので。明るさと紫外線対策の両立が可能
○窓用UVカットフィルム:透明なガラスフィルムを窓に貼ることで、UVAとUVB(肌の表面に強く作用する紫外線)ともに99%以上カットできる製品も。一度貼ると長期間の効果が期待できる
○UVカットガラス・コーティング:リフォームや新築のタイミングで導入するのに最適。ガラス自体にUVカット機能があるため、追加対策はほぼ不要
○UVカット衣類:UVカット加工されたパーカーなど。薄手の長袖シャツやカーディガンで肌を覆うだけでも、十分な紫外線防御に
そのほか、窓から距離を取って過ごしたり、植物やパーテーションで日差しを遮ったりするのも有効な予防策になります。
たとえ室内でも、とくにUVAは窓ガラスを通して肌に届き、シミやシワ、たるみといった光老化を引き起こします。外出の有無や季節に関係なく、日々のUV対策が重要です。自分の未来の肌を守るためにも、できることから始めてみましょう。
医師、形成外科専門医。豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック副院長。化粧品検定1級。大学病院や総合病院にて形成外科医として研鑽を積んだうえ、美容外科、美容皮膚科医としても活躍しており、皮膚疾患の保険診療から美容施術まで幅広く診療を行っている。脂肪吸引のスペシャリストとして、「美容整形版令和の虎」にも出演。
(Hint-Pot編集部)
