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「絶対に使わないで!」 家の外壁や屋根のコケのやってはいけない掃除法 SNS誤情報には注意を プロが解説

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

高圧洗浄機を使ったコケ掃除は、場所によっては家を傷めてしまう可能性も(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
高圧洗浄機を使ったコケ掃除は、場所によっては家を傷めてしまう可能性も(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 気温が高くジメジメとした夏は、壁や塀、石垣などにコケが繁殖しやすい季節です。放っておくと、害虫が寄ってきたり、建物などの劣化を招いたりする原因になってしまいます。コケが生えてきたらできるだけ早く処理したいもの。では、処理するためにはどのような方法がおすすめなのでしょうか。清掃のプロとして活躍した経験を持つ整理収納アドバイザーの伊藤まきさんに、コケ掃除のNGと正解をお聞きしました。

 ◇ ◇ ◇

熱湯や高圧洗浄機は逆効果になることも!

「絶対に、熱湯や高圧洗浄機を使わないでください!」

 コケを掃除するときの注意点について、伊藤まきさんはそう強く訴えます。

 熱湯を使うと、壁や屋根のコーティングがはがれてしまうおそれがあります。すると、余計な水分が染み込み、内部の木材や外壁材を腐らせてしまって、多大な修理費用が掛かってしまう可能性も。

 また、高圧洗浄機は便利ですが、こちらも水圧で壁や屋根のコーティングがはがれてしまうリスクがあるそうです。さらに、周囲に汚れた水をまき散らすことになり、結果的にコケが別の場所に広がったり、近所迷惑になってしまったりすることも考えられます。

必ず希釈して使う、「殺菌消毒剤」が便利!

必ず希釈して使う、「殺菌消毒剤(逆性石けん液)」【写真:伊藤まき】
必ず希釈して使う、「殺菌消毒剤(逆性石けん液)」【写真:伊藤まき】

 また、SNSの情報を鵜呑みにするのも危険です。

「SNSなどで塩や酢、重曹などを使ったコケ取り法が紹介されていますが、やはり壁などの劣化を招く恐れがあるのでおすすめしません。土壌汚染にもつながるほか、害虫が寄ってくることもあるでしょう」

 コケが広範囲でなければ、ドラッグストアなどで購入できる「殺菌消毒剤(逆性石けん液)」で掃除をするのがおすすめだそう。使用方法をよく読んで希釈液を作り、それをスプレーボトルなどに入れて、コケが気になる場所に吹きかけます。

 数分置いてから、ブラシでこするだけで、驚くほどきれいにコケが落ちます。この「殺菌消毒剤」は、さまざまなことに使えるので、1本買っておくと便利なのだとか。

「手指の殺菌消毒用としても使えます。また、水洗いしたごみ箱に吹きかけて乾かすだけで、不快な臭いが軽減。ペットグッズの臭い取りにも有効です。用途に応じた適切な水を使用してください。取り扱いには、十分な注意が必要です。絶対に原液のまま使用せず、必ず説明書きに則って薄めてから使うようにしてください」

 最後に、もしもコケが広範囲な場合は、迷うことなくプロに相談することを、伊藤さんはすすめます。

「外壁塗装業者など、塗装に強い会社にお願いすれば、高圧洗浄後に再コーティングをしてくれるので、コケを取るだけでなく、家のメンテナンスも同時に行うことができますよ」

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize