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実は“モーニング王国”の高知県 昭和レトロな喫茶店で出合う意外な組み合わせ トーストと一緒に出てくるまさかの汁物とは
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高知市だけではなく、全県に広がる独特のモーニング文化
2021年の総務省統計局「経済センサス―活動調査」によれば、県別の喫茶店数は大阪府が6758店、愛知県が6171店に対し高知県が834店ですが、人口1000人あたりの喫茶店数をみると、岐阜県の1.209に次いで、高知県が1.206の僅差で2位。以下、和歌山県が1.033、愛知県が0.818と続きます。
ちょっと不思議な、高知県のモーニング文化。発祥には諸説あるようですが、高知県観光コンベンション協会によると、初めはトーストにコーヒーという普通のメニューだったようです。
「そのうち『おにぎりも食べたい。どうせならみそ汁もつけてよ……』という感じで、高知県人の気質というか『面倒だから、あれもこれもつけちゃえ』という要望を受けて、いつしか今のモーニングの形になったようです」
おもしろいのは、モーニング文化が高知県全域に根差していて、地域によって特徴があること。「東は室戸市のあたりに行くと味付けが関西風なところもありますし、宿毛市など西に行くと、九州の文化の影響を受けていて甘い。なかには、トーストに砂糖がまぶしてある店もあるんですよ」と教えてくれました。
プロ野球の南海ホークス、阪神タイガースでエースとして活躍した江本孟紀さんは、高知県出身。現在は野球評論家として活動する傍ら、高知県観光特使も務めています。「僕は高知県人だけど酒が飲めない分、コーヒーが大好き。故郷に帰れば必ず喫茶店に行きます。しかも、あのレトロな感じがなんとも落ち着くんです。東京での生活のほうが圧倒的に長いですが、やはりカフェでなく“喫茶店”に行きます。ぜひ、高知県の喫茶店文化を楽しんで」と話します。
注目の高知県。夜はおいしいお酒と魚、朝に不思議なモーニング体験するのも良いでしょう。
(芳賀 宏)
