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「外国人観光客が日本人よりも全然多い」 海外から火がついた“ネクスト白川郷”とは 白川郷の仕掛け人に聞く

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著者:Hint-Pot編集部

宿場町の風情が魅力のひとつである中山道【写真:PIXTA】
宿場町の風情が魅力のひとつである中山道【写真:PIXTA】

 紅葉など日本らしい自然の美しさが際立つ秋の行楽シーズンは、多くの外国人観光客を魅了します。今、江戸と京都を結ぶ街道「中山道」が、外国人観光客から“サムライロード”と呼ばれて人気です。とくに岐阜県の東美濃地域は、江戸時代の宿場町の風情が残っており、海外からは「一度は行ってみたい」ホットなスポットとして注目されています。岐阜県といえば白川郷が知られていますが、県では“ネクスト白川郷”として、持続可能な観光産業の構築を目指しているそうです。各地でオーバーツーリズムが顕在化するなか、その秘策とは。岐阜県観光国際部の観光資源活用課課長・北村和弘さんに、お話をお伺いしました。

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宿場町の風情残る東美濃地域

 石川・富山県境にほど近い白川郷から、南に約140キロ。長野県に隣接する岐阜県の東美濃地域は、江戸時代に中山道の宿場町としてにぎわいました。中山道は東京・日本橋から京都・三条大橋までをつなぐ全長約530キロの五街道のひとつ。外国人観光客から“サムライロード”と呼ばれるほどの人気を誇っています。

 そのうち、東美濃地域を通る中山道の宿場は、長野県境からすぐの馬籠宿、落合宿、中津川宿、大井宿、大久手宿、細久手宿、御嶽宿、伏見宿の8つ。多治見市・中津川市・瑞浪市・恵那市・土岐市・可児市・御嵩町の6市1町からなり、この区間は約54.8キロに及びます。当時の風情を残す場所が多く、古くからの生活文化が息づく景観が大きな魅力です。

 自然を満喫しながら江戸時代の面影を残す風景が楽しめるこのエリアは、海外からの多くの外国人観光客を惹きつけています。注目を浴び出したのは2016年頃。イギリス公共放送BBCに取り上げられたのがきっかけでした。

「中山道にはたくさんの外国人観光客が来ています。日本人よりも全然多いんです。今でも昔の史跡が多く残っており、基本的には1週間くらいかけて歩いてめぐるインバウンド客が多いです。時間に余裕があり、昔の日本を知りに来ている形ですね。宿場町にある宿は外国人観光客でいっぱいです」

 そう語ってくれたのは北村さんです。インバウンド観光といえば、「ゴールデンルート」と呼ばれる東京-富士山-京都-大阪の流れが一般的でした。岐阜県の代表的な観光地である白川郷を武器に、インバウンド観光の流れに風穴を開けた仕掛け人です。