Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

仕事・人生

“土地転がしアナ”と呼ばれて 総資産4億円超の女性投資家 その裏の努力とこだわり

公開日:  /  更新日:

著者:芳賀 宏

アナウンサー、投資家として活躍する櫻井知里さん【写真提供:櫻井知里】
アナウンサー、投資家として活躍する櫻井知里さん【写真提供:櫻井知里】

 フリーアナウンサーの傍ら、女性投資家としても活躍する櫻井知里さん。現在はマンション2棟39室を所有し、資産が4億円を超えました。出演番組で、共演するタレントから“土地転がしアナウンサー”と名づけられるほどの実力です。しかし、そこに至るまでには知られざる苦労もありました。次なる目標を「資産10億円」と設定する櫻井さんに、投資家としてのポリシーや、これから目指す人たちへのアドバイスを伺いました。

 ◇ ◇ ◇

女性投資家として直面した現実と、乗り越えた壁

 女性投資家としての櫻井さんは、中古ブランド品の販売から始まり、太陽光発電の投資などを経て、現在は不動産の投資を中心に活動しています。投資には、株式やリート(金融商品のひとつで不動産投資信託)などさまざまな選択肢がありますが、不動産投資を選んだ最大の理由は「株などは証券ですけど、実際に物が手に入るし土地を買えることが大きい」ためだそうです。

 アナウンサーとしては、YouTube番組「さらば青春の光 不動産王への道」でMCを務めています。二足のわらじを履く櫻井さんは、共演するお笑いコンビ・さらば青春の光の森田哲矢さんから“土地転がしアナウンサー”と命名されました。ちょっと刺激的なネーミングですが、「せっかく命名していただいたし、まあ、不動産投資は土地転がしみたいなものでもあるかな」と明るく笑います。

 しかし、本格的に不動産投資を始めた2015年頃、女性投資家はまだ珍しい時代でした。

「経営層や地主さんは高齢の方も多く、セミナーなどに行っても『(地主の)娘さん?』と思われたことも……。専門的な用語も多く、そうしたものを覚えないと、相手にしてもらえないのです。軽く見られるという表現が正しいかわかりませんが、そういう感じだったかもしれません」

 現実に直面したなか、それでも「投資家はよく(関連書籍を)100冊読めといわれるのですが、本当に勉強したと思います。悔しさがエネルギーというか、原動力になったと思います」と話します。

 そうした努力が少しずつ形になり、資産が1億円を超えると、周囲の見る目が変わってきたことを実感。「気がつくと、銀行から『これはどうですか?』と物件を紹介されることが増えました」といいます。

 最多で3棟45室、現在は2棟39室を所有する櫻井さん。実は、物件の選定と所有には、2つのポリシーがあります。そのひとつが「自主管理」。つまり“大家さん”として、自らが物件の管理をするのです。管理会社に任せるのではなく、自分が行うことで、利用者目線で向き合えるのだそう。

 もうひとつは「物件は必ずその土地、建物、周辺住民を見る」こと。たとえば、現在所有するサービス付き高齢者向け住宅は2018年に選び、2020年から運営していますが、その地域の特別養護老人ホームの待機状況や、2040年までは高齢者が増加していくと見込まれたためだといいます。