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今年も「厳しい暑さに」 注意が必要な熱中症 予防対策に知っておきたい暑さ指数「WBGT」とは
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気温の高い日も増え、暑さに注意が必要な季節になりました。最近では、熱中症に注意を呼びかける情報のなかで、「WBGT(湿球黒球温度)」という言葉を目にする機会が増えていますが、具体的にはどういうものなのでしょうか。ウェザーニューズに、この夏の暑さの傾向と併せて詳しいお話を伺いしました。
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「人間の熱バランスに影響が大きい『気温』『湿度』『輻射熱』」
――ここ数年、「WBGT(湿球黒球温度)」という単語をよく耳にするようになりました。もともとはアメリカで提案された指標とのことですが、日本ではどのように活用されているのでしょうか?
「日本では『暑さ指数』とも呼ばれ、熱中症の危険度を判断する数値として活用され、単位は気温と同じ『度』で示されますが、その値は気温と異なります。WBGTは、人間の熱バランスに影響が大きい『気温』『湿度』『輻射熱』の3つを取り入れた指標です。
たとえば湿度が高い場所では、汗が蒸発しにくくなるため体温を下げるのが難しくなり、熱中症になりやすくなります。また、日差しから受ける熱だけでなく、温められた地面、建物などから放出される輻射熱の影響も加味されるのが特徴のひとつです。WBGTが28を上回ると、熱中症のリスクが急激に高まり、それに伴って熱中症を発症する人が急増します」
「厳重警戒」では炎天下を避け、激しい運動の中止を

――WBGTが28以上になると、熱中症のリスクが高くなるとのこと。具体的には、どういった注意が必要なのでしょうか?
「環境省はWBGTに基づいて、4段階の『日常生活に関する指針』と5段階の『運動に関する指針』を定めており、WBGTに応じた対策を示しています。どちらの指針も28以上は『厳重警戒』とされ、外出時には炎天下を避けることや激しい運動の中止を呼びかけています」