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そうめんを梅干しとゆでるとコシがアップするのはなぜ? SNSで話題の裏ワザは本当に効果があるのか 栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実
梅干しを入れるとコシが出る裏ワザの真偽
――そうめんをゆでる際、梅干しや酢を加えるとコシが出て、おいしく仕上がるという裏ワザについてはどうでしょうか?
「麺のコシは、麺に含まれたでんぷんがもとです。でんぷんは湯に溶け出しやすいのですが、酸性の湯には溶け出しにくい性質を持っています。そうめんをゆでる際に、梅干しや酢を加えて湯を弱酸性にすることで、そうめんのでんぷんの流出を抑え、コシがある仕上がりになると考えられます。酢だと風味が強く、味がそうめんに移りやすいかもしれません。梅干しならば、味が移りにくいのでおすすめです」
差し水をすると食感が良くなる裏ワザの真偽
――麺などをゆでるときに差し水、いわゆるびっくり水をすると、吹きこぼれを防ぎ、均一に火が通っておいしくなるといわれています。そうめんをゆでる際も必要なのでしょうか?
「差し水は昔から行われてきた調理方法で、乾物の麺類や豆類などをゆでるときに、沸騰した湯をいったん鎮めるために冷水を加えることです。吹きこぼれを防ぎ、中心まで均一に火を通して、おいしく仕上げることを目的としています。比較的短い時間でゆで上がるそうめんも、差し水をすると良いとされてきましたが、これは火力の調節がすぐにできないかまどを使っていた時代の名残との説もあり、現代では必要がないといわれています。そうめんに差し水は、必ずしも有効とはいえませんが、商品によって差し水を推奨しているものもあるようなので、パッケージを確認しましょう」
そうめんは意外に高カロリー
――そうめんはあっさりしているので、食べやすいですが、注意すべき点はありますか?
「ゆでたそうめん1食分(乾麺100グラム)は308キロカロリー。ごはん1杯(150グラム)が234キロカロリーなので、決してエネルギーは低くありません。一度に大量にゆでて、食べ切れないものをアレンジすることもあるかもしれませんが、摂取カロリーが高くなりやすいので注意しましょう。そうめんの主成分は糖質です。そうめんだけの食事だと、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維などが不足しがちです。ツナやサバ、納豆、鶏肉、卵などに、トマトやキュウリ、オクラなどの夏野菜や海藻類、ネギや大葉、ミョウガ、ショウガなどの薬味などをトッピングすると良いでしょう」
夏においしいそうめん。上手にゆでて、栄養バランス良く食べたいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾
