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「あの人が不幸になりますように」 短冊に書くのはNG 知らないと怖い七夕の作法

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

短冊だけではない 願いを込める七夕の飾り

 願い事を書いた短冊は、笹竹に吊るします。笹竹を神様がよりつくところ(依り代)とし、吊るすことで願いを天に届けられると考えられてきました。

 また、七夕では短冊以外にも、さまざまな飾りを吊るします。折り鶴、輪や三角形のもの、網状のものなどがありますが、単なる飾りではありません。一つひとつに意味があります。

○折り鶴
 長寿の象徴。健康長寿や家内安全を願う

○三角・輪・菱飾り
 三角飾りは裁縫の上達、輪飾りは夢の実現を願う。菱飾りは天の川を表す

○網飾り
 豊年豊作、大漁を願う。幸せを引き寄せる意味もある

○財布(茶巾)
 金運上昇を願う。紙で折ったものが一般的だが、本物の財布を飾るところもある

○紙衣(かみこ)
 着物の形をした色紙。災い除けと裁縫上達、着るものに困らなくなるなどの意味も

○吹き流し
 織姫の織り糸を表す。くす玉に下げて魔除けに

○クズカゴ
 物を粗末にしないように。節約や整理整頓の心を養う

 年に1度の七夕。心から叶えたい思いを込めて、それぞれの飾りを笹竹に吊るしてみてはいかがでしょうか。とくに短冊は、願いを文字にすることで心が整い、前向きな一歩を踏み出すきっかけになるかもしれません。

(鶴丸 和子)

鶴丸 和子(つるまる・かずこ)

和文化・暦研究家。留学先のイギリスで、社会言語・文化学を学んだことをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。昭和好き。
インスタグラム:tsurumarukazu