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台風や豪雨による土砂や強風への備え 短時間で危険度を把握・避難するために必要な情報源とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:小林 裕

雨がやんでから起きることもある土砂災害(写真はイメージ)【写真:写真AC】
雨がやんでから起きることもある土砂災害(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 台風や線状降水帯などがもたらすのは、豪雨による水害だけではありません。地盤が緩むことで起きる土砂災害や強風被害にも、注意が必要です。「雨と一緒に土砂も風も来ます。場所ごとに、“逃げ方”が変わることを視野に入れた行動が重要です」という防災士の小林裕さんに、詳しいお話を伺いました。後編では、土砂・強風への備えに加え、危険度を短時間で知るための情報源についても解説してもらいます。

 ◇ ◇ ◇

危険な場所を把握することが大切

 山が多い日本では、強い雨が続くと地中に染み込んだ水が地盤を押し広げ、ある瞬間に斜面が音を立てて崩れます。勾配の急な谷では石と木を巻き込む“土石流”が時速40キロ以上で襲来し、家屋ごとのみ込むケースも。山に限らず崖や高台が崩れることもあり、リスクは山間部だけではありません。

 洪水と違い垂直避難が効かないため、斜面から逃げる(水平に遠ざかる)のが鉄則です。自治体が公開しているハザードマップを確認し、自宅や学校・職場といった生活圏内でリスクのある場所を把握して、的確な行動ができるようにしましょう。

 雨が多いときや大量の雨が降ったあとは、危険な場所には近づかない。もしも近くにいて、ゲリラ豪雨など急に強い雨が降り出したときのため、避難経路や避難先を確認しておくことも大切です。

強風で物干し竿が凶器に 「飛ばさない。割らせない」対処を

 強風も危険な災害のひとつです。台風では、瞬間風速30メートルを超えることも。物干し竿が凶器になり、窓ガラスは飛び石ひとつでクモの巣状に割れます。雨戸やシャッターがない住宅では、窓の飛散防止が最優先事項です。室内への吹き込みによるけがを防ぎ、修理までの生活も守れます。

 家の周りの対処としては、「飛ばさない。割らせない」を意識。ベランダや庭にあるものが、危険な飛散物になることもあります。台風の影響が出る前に、対処しておきましょう。

○物干し竿や植木鉢、レジャーチェア
 早めに室内へ移動させてください。

○エアコンの室外機カバー
 ガムテープや結束バンドで固定するようにしましょう。

○シャッターや雨戸がない窓
 飛散防止フィルムを貼り、内側から養生テープを「×」を描くように貼って、ガラス片の散乱を抑制しましょう。厚手のカーテンを閉めるだけでも、ガラスの散乱を軽減できます。就寝中のけがを防ぐため、できるだけ窓から離れた場所で眠るようにしてください。