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わずか15センチで歩行困難 30センチで車のエンジン停止 知っておきたい豪雨への備えや避難行動を防災士が解説
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教えてくれた人:小林 裕

夏は台風だけでなく、線状降水帯など、雨による被害が発生しやすい時期。天気予報で事前に備えることができても、想定以上の雨量になることもあります。水害の可能性がある際には、どう行動すれば良いのでしょうか。「同じ大雨でも、被害の出方は年々多様化しています」という防災士の小林裕さんに、詳しいお話を伺いました。前編では、浸水被害への備えについて解説してもらいます。
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生活圏のハザードマップを確認し、リスクの把握を
河川の氾濫といった従来型の洪水に加え、都市部では排水能力を超える“内水氾濫”が増加し、豪雨により水害が発生する場所は、平面だけでなく上下方向にも広がっています。そのため、川から離れているからといって安全とは限りません。まずは2つの水害のタイプと、とるべき行動を知ることが大切です。
従来の河川や高潮による水害が発生しやすい地域は、多くの自治体がハザードマップを公開しています。紙での配布のほか地図データやPDFをウェブサイトに掲載しているので、自宅や学校・職場といった生活圏内でリスクのある場所を確認しておきましょう。国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」でも、地域ごとの災害別ハザードマップのリンクを簡単に調べられます。

ハザードマップごとに「浸水の深さ」や「土砂災害地域」などが色分けされていて、自治体ごとに色分けや階級が異なる場合も。凡例を確認して、リスクの把握や発災時の対応について考えておくと良いでしょう。浸水の深さは、数字だけではイメージしにくいため、目安を紹介します。
・0.5メートル未満:足首~膝下。床下浸水の目安
・0.5~3メートル:膝~1階窓。軽自動車は水没
・3~5メートル:1階天井~2階床
・5メートル以上:2階窓や屋根上まで到達
浸水想定が5メートルを超える地域は、屋根より高い高台への避難が必要です。ハザードマップと併せて、津波避難ビルや周辺の鉄筋公共施設もチェックしておくと素早く判断できます。
