ライフスタイル
台風や豪雨による土砂や強風への備え 短時間で危険度を把握・避難するために必要な情報源とは
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:小林 裕
気象庁の「キキクル」「ナウキャスト」でピンポイントに危険度を把握
災害時には正確な情報を集め、早めの備えや避難行動をとることが、命を守るために重要です。日頃からハザードマップでリスクに備えるほか、刻々と変わる状況を把握して正しい判断をするため、ぜひ活用してほしい情報源があります。
気象庁が発信する、リアルタイム危険度分布の「キキクル」と、今後1時間の危険度を5分ごとに更新する短時間予報「ナウキャスト」です。いずれも気象庁のサイトやアプリで閲覧でき、ピンポイントに場所を指定し、災害の種類ごとに、洪水や土砂、雨量を切り替えて、色で危険度を確認できます。

「キキクル」の土砂災害や洪水を例に、色別の意味やとるべき行動を説明します。
1. 色なし:早期注意情報
ニュースに注目し今後の情報に留意しましょう。
2. 黄:注意(警戒レベル2相当)
川や斜面を離れ、避難準備をしましょう。
3. 赤:警戒(警戒レベル3相当)
高齢者や子どもは避難を完了してください。
4. 紫:危険(警戒レベル4相当)
全員が避難を完了してください。浸水の可能性があるため、地下の利用は危険です。
5. 黒:災害切迫(警戒レベル5相当)
緊急安全確保が必要な状況で、安全な避難ができない可能性があります。建物内で命を守る行動をしてください。
5の黒は“避難指示の発令を待ってはいけない”レベルです。遅くとも紫の段階で、必ず安全な場所へ避難するようにしましょう。
また、こうした情報源を知っておくと、30秒以内といったわずかな時間で危険度を確認できます。もしものときに、すぐチェックできるようにしておくのがおすすめです。
家族でリスクのある場所や避難先の確認を

災害に遭遇するのは、自宅にいるときとは限りません。外出中など慣れない場所にいると、周辺のリスクがすぐにはわからないことも。そうした際にも、「キキクル」などで自分がいる場所についてピンポイントに危険度を知ることは、的確な避難行動につながります。
外出先や移動中に豪雨や台風に遭遇したとき、重要なのは低い場所と吹きさらしを避けることです。地下街や海岸、高架上は少しの増水・風速でも逃げ場がありません。地下街や海沿い、橋の上にいたら、すぐに離脱。駅なら改札を出て、地上の頑丈なビルへ避難してください。
車の場合は、立体駐車場の2階以上や高台、高架下などに一時避難。すぐに水位が上がる可能性があるため、水深 10センチでも油断は禁物です。Uターンして安全なルートを探すほか、無理な移動は避けて安全な場所へ避難するようにしてください。
繰り返しになりますが、日頃からリスクのある場所を把握しておくこと、災害時には正確な情報をチェックし、素早く行動することが大切です。まずは自宅や職場、学校、通学路などのリスクをハザードマップで確認し、家族で避難先を話し合っておきましょう。
(Hint-Pot編集部)
小林 裕(こばやし・ゆたか)
防災士。「知っていれば」「備えていれば」避けられた被害をなくすために、防災・減災関連の情報発信、商品・サービスの開発支援を行っている。