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ミニトマトと大玉トマト、栄養価が2倍も違うのは本当? 1日の適量とは 栄養士に聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実
トマトの栄養を効率的にとる食べ方とは
そして、大玉でもミニトマトでも、栄養を効率的に摂取するための3つのコツを意識しましょう。
○皮ごと食べる
トマトの皮にはリコピンをはじめ、食物繊維や上記の成分が多く含まれており、便通改善や生活習慣病予防が期待できます。皮の食感が気になる場合は、生であればキュービック状のさいの目切りにするなど、工夫してみましょう。加熱することでやわらかく、食べやすくなります。
○生でも加熱でも
リコピンは、加熱することで吸収率が高まることがわかっています。細胞壁に包まれており、生のままでは体内に取り込みにくいですが、加熱によって細胞壁が壊れるので、効率良く吸収できるでしょう。一方、ビタミンCは熱に弱いので、トマトから摂取したい場合は生のまま食べるのがおすすめです。
○油と一緒に
リコピンやβカロテンは油に溶けやすい(脂溶性)成分です。油と一緒に食べると、体内での吸収率がアップします。サラダなら油分を含むドレッシングを使ったり、加熱するなら油で炒めたりすると良いでしょう。オリーブオイルと塩コショウのシンプルな味つけは、生でも加熱でもおすすめです。スープの仕上げにオリーブオイルをたらしても、おいしく栄養を摂取できます。
1日の適量は? 生のまま大量に食べないこと
体に良い栄養成分が詰まったトマトですが、食べすぎはよくありません。とくにミニトマトは小さくて食べやすいことから、ついたくさん手に取ってこともあるかもしれません。生のまま一度に大量に食べると、体が冷えてしまって胃腸の働きが鈍くなり、下痢を引き起こすこともあります。また、皮は消化吸収されにくいので、消化不良を起こすこともあります。気をつけてください。
トマトの1日の適量は、とくに決められていませんが、通常の生の大玉トマト1個、ミニトマト10個程度が体にも負担なく、おいしくい食べられるでしょう。ほかの食品とのバランスを考えて、適量を心がけたいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾
