からだ・美容
自分の健康状態を知るバロメーター! 「気・血・水」について【薬膳の基礎2】
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薬膳というとハードルが高いイメージがありますが、「いたってシンプル」というのは薬膳フードデザイナーの村上華子さん。伝統的なヨガのエクササイズに加え、身近な「おうち薬膳」をテーマにしたワークショップが人気の村上さんが、薬膳の基礎をわかりやすく解説します。2回目は「気・血・水」について。薬膳では、6つの体質タイプに分けられるそうです。自分の体質の傾向を知ると、暮らしも豊かになりそうです。
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3つの要素には、それぞれ性質や特徴がある 十分に循環しているのが良い
薬膳のキーワードから基礎理論を紹介した前回に続き、今回は、それらの考えをもとに、心と体の健康のバロメーターになる、「気・血・水」についてお話ししていきます。中医学の理論をベースに持つ薬膳は、「気・血・水」という3つの要素から人体が成り立ち、これらの3つの要素の量が適切で、十分に循環していることで、健康が保たれると考えます。まずは、それぞれの性質や役割について解説します。
【気(き)】
目には見えないけれど、人体の中を巡っている生命エネルギー。すべての活動を支える原動力です。体を温めて新陳代謝を促し、バリア機能を担うことで、免疫力を保つ働きなどもあります。気の代謝促進機能によって、血も水も体内の隅々まで巡ることができます。生まれながらに備わっている「先天の気」に、飲食物から作られる「後天の気」が補充されます。
【血(けつ)】
いわゆる血液のことだけれど、中医学の理論ではリンパ液なども含み、体中に潤いと栄養を届ける物質と考えています。血の量が十分に備わり、体内の隅々まで巡ることで、臓器の働きや各機能のバランスが正しく調節され、肌や爪、髪の毛までツヤがでるとされています。また、心の栄養ともたとえられるように、精神状態にも密接に関係しています。
【水(すい)・津液(しんえき)】
血液以外の体液を「津液」呼び、胃や大腸の液、汗や涙、鼻水、よだれなども含まれます。全身を循環して潤すものであり、内臓や各器官、関節などをなめらかに保護するもの。また、体を潤すことで、過剰な熱を抑える重要な働きもあります。津液の代謝が悪いとむくみになり、不足すると肌やノドの乾燥、便秘、ほてりなどを招くとされています。
これら「気・血・水」のバランスは生活習慣や、天候や環境、年齢によっても変化していきます。忙しい日々の中でも“体の声を聞く習慣”、ちょっとした変化を感じ取ることで、深刻な症状になってしまう前に、セルフケアすることもできます。未病を防ぐのが、中医学の真骨頂。心と体の元気を底上げするための始めの一歩として、まずはご自分の体質の傾向をチェックしていきましょう。