健康・美

「天人合一」「薬食同源」「未病先防」…なんて読む? 健やかな食の3つのキーワード【薬膳の基礎1】

著者:村上 華子

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身近な薬膳【写真:村上華子】
身近な薬膳【写真:村上華子】

 寒くなってくると飲み物や料理にしょうがを加えるなど、実は私たちは無意識に「薬膳」を実践しているそうです。特別な食材が必要とか味が苦そうとか、薬膳というとハードルが高いイメージがありますが、「いたってシンプル」というのは薬膳フードデザイナーの村上華子さん。伝統的なヨガのエクササイズに加え、身近な「おうち薬膳」をテーマにしたワークショップが人気の村上さんが、薬膳の基礎についてお届けします。1回目は「天人合一」「薬食同源」「未病先防」の3つのワードに注目。読みかたは少々難しいかもしれませんが、基本の考えを知ると、「食事」の奥深さに魅了されるかもしれません。

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難しいことではなく、薬膳は身近な食材で作る家庭料理のひとつ

 近年の健康ブームの勢いはとどまる所を知らず、バラエティー豊かなエクササイズに加えて、日々の食事法もたくさんのスタイルの中から選べるようになりました。そんな中、3000年以上もの歴史がある「薬膳」という食事法に改めて注目が集まっています。薬膳は東洋医学の中に含まれる、中医学の理論をベースにした食養生です。とはいえ「歴史ある」とか「中医学」、さらには「薬膳」といったキーワードが並ぶと、なにやら苦い薬のような味や、特別な食材を集める必要があるのかも……なんて、とっつきにくい料理のような印象を持つかもしれません。

 ですが、実は、薬膳の基本を知れば、スーパーで買える身近な食材で、毎日のおいしいごはんが作れるんです。薬膳のもとになる考え方は、いたってシンプル。見たことある方もいるかと思いますが、次の四文字熟語を知っていますか?

「天人合一」「薬食同源」「未病先防」ーこれらは中医学の基本となり、薬膳を理解するためのキーワードに。ひとつずつ紹介したいと思います。

〇その1 「天人合一」(てんじんごういつ)
 中医学を包括した、東洋医学の世界観をあらわす言葉で、「天」は自然環境や宇宙のこと。人間は気候や四季という自然や、昼夜のリズムに影響を受けています。そして、人間の体の中で起こるさまざま生命現象も、自然と強く結びついていることから、人間もまた自然の一部だと考えます。自然や環境からの影響、心と体のバランス、それらすべてを踏まえて、食事をしていくのが薬膳の醍醐味です。

〇その2 「薬食同源」(やくしょくどうげん)
 私達が普段食べている身近な食材には、薬と同じように、体を元気に整える働きを持っていると考えます。昔々の中国では、宮廷に食べ物で病気を治す医者「食医」も仕えていたといいます。ちなみに、日本で「薬」という漢字を使うと、化学薬品と間違われやすいことから、日本では「薬」を「医」に変えた「医食同源」という四文字熟語が主流になったようです。