からだ・美容
自分の健康状態を知るバロメーター! 「気・血・水」について【薬膳の基礎2】
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あなたはどのタイプ? 薬膳の視点から見た6つの体質
現時点での体質の傾向を薬膳の視点から見るもので、病気の判断ではありません。健やかな暮らしのためのひとつのヒントとして役立ててください。
〇Aタイプ「気虚(ききょ)」“エネルギー不足でぐったりタイプ”
ストレスや疲労、消化不良などによって、エネルギー(気)が消耗している状態。常にエネルギー不足のため疲れやすく、顔色が悪い、声が小さいなども。気は「体を温める働き」や「免疫力」というバリア効果を担う役割があるので、不足することで冷えやすく風邪も引きやすく、花粉症持ちの人も多い。
【生活のポイント】
働き過ぎや動き過ぎ、考え過ぎは、気を消耗させるので、休息と睡眠をしっかり取り、メリハリのある生活を心がけたいもの。エネルギーは摂取した飲食物から作られるので、消化の働きを落とさないように、冷たいものや油っこい食べ物にも注意が必要です。汗をかくことは気持ちがリフレッシュしますが、汗と一緒にエネルギーも流れ出ると考えるので、サウナや長風呂はできるだけ控え、体が冷える時は足湯がおすすめです。
〇Bタイプ「気滞(きたい)」“エネルギーが滞りイライラタイプ”
ストレスや疲労が原因で、気の流れがうまく巡っていない状態に。滞り、行き場を失ったエネルギーが膨満感を招き、ささいなことでイライラしてしまいます。また反対に、うつうつと憂鬱で、不安定な気持ちに陥ることも。ゲップやガス、ため息、女性は悩ましいPMS(月経前症候群)の原因にもなります。
【生活のポイント】
まずは、ゆとりのある生活に見直し、ストレスを溜めないこと。とはいえ、忙しい生活を変えることができない人は、気持ちの高ぶりを鎮めるために、香りのよい柑橘系の食材やアロマを使うのもオススメです。または、ヨガや大きく深呼吸の習慣。気のおけない友人とおしゃべり、映画で泣いたり笑ったり、カラオケで歌うという“心のガス抜き”も効果的です。
〇Cタイプ「血虚(けっきょ)」“潤いと栄養の不足でふらふらタイプ”
血の量が足りていないタイプ。貧血の人が当てはまりますが、血液検査の数値には反映されない場合も。血は体を潤し、栄養する物質のため、臓器や肌、脳に栄養分が行き届かないことで、顔色や爪が白っぽくなりツヤがない状態に。または、目のかすみや髪のパサつき、月経不順、めまいやしびれ、不眠や不安感なども起きやすくなります。
【生活のポイント】
食事の栄養不足だけではなく、睡眠不足、精神疲労にも注意が必要です。特に、消化不良になると飲食物から「気(エネルギー)」が作られず、血も生まれない(気は血を作る材料です)ことに。滋養があり、消化によい食事を心がけましょう。また、夜間に視神経や思考を使うと血を消耗するので、夜間のパソコン作業やスマホ観覧はほどほどに。
〇Dタイプ「お血(けつ)」“血が滞りドロドロタイプ”
血の巡りが悪く、ドロドロしてよどんでいる状態。肩こり、顔色のツヤがなくクマやくすみ、あざができやすい。生理痛(温めると改善する痛み)、子宮筋腫など婦人科系のトラブルや、肝硬変、物忘れなども起こりやすくなります。“流れる物質が足りない”「血虚タイプ」、“流すための動力が弱い”「気虚タイプ」と、あわせて持つ場合も多くみられます。
【生活のポイント】
体を動かす習慣と、冷やさないこと、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。日中座ることが多い場合は、時々ストレッチを行い、気血を巡らせると効果的です。お血は体を冷やすと悪化するので、シャワーだけではなく湯船にしっかりとつかることもオススメです。(気虚の傾向がある人は、長湯ではなく足湯が良いでしょう)。日中も足元や腰、お腹を冷やさない服装で冷えから体を守りましょう。
〇Eタイプ「陰虚(いんきょ)」“潤い不足のカサカサタイプ”
体を潤す「陰液(水、血)」が不足しているタイプ。水分は、“体を潤し、過剰な熱を冷ます”という大切な役割があるので、潤いが不足して乾燥すると、熱感やほてり、肌のかゆみなど感じることがあります。また、頭がほてることからのぼせてイライラしたり、口やノドの渇き、粘膜も乾燥するので、空咳が出たり、便秘などの症状などにも悩まされます。
【生活のポイント】
辛く、スパイシーな食事は体の乾燥を悪化させるので、極力控えるのがベスト。特に夕食に摂取すると夜間のほてりが増すので、眠りの質が落ちることも…。「陰液(潤い)は陰の時間(夜)に作られる」と考えるので、夜型生活を改善して、早く寝る習慣も心がけましょう。また、水分をごくごく飲むのではなく、潤す食材(豆腐や白ごま、豆乳などの白い食べ物)から取るのがオススメです。
〇Fタイプ「痰湿(たんしつ)」“水の滞りでむくむタイプ”
水分代謝が悪くなると、排出できず停滞した水分がよどみになる。水やたまった老廃物は下に流れる性質があることから、下半身ががっちりした印象の体形になる。水の滞りは、気と血の流れを妨げることから、むくみや軟便、体の重さ、頭がすっきりしない感じを招き、睡眠中の疲労回復機能がうまく働かないことから、朝起きられないことも多い。
【生活のポイント】
ヨガやウォーキングなど軽い運動を行い、溜まった老廃物を排出しましょう。足元から巡りをつけるフットマッサージもおすすめです。食生活の面では、むくみを悪化させる砂糖の甘さや揚げ物、お酒。サラダやお刺身、果物という冷たい生の食べ物の摂取を極力控え、水分の摂取は白湯か温かいお茶を必要な時に必要な分だけ飲むのがよいです。
最近ちょっと気になる……という症状がいくつか現れたら、深刻化しないうちに、食事と暮らし方を見直していきましょう。一年を通じて、色々な症状が現れやすい時期(不調に陥りやすい時期)というものもあります。ご自分の傾向を知るため材料のひとつとして、定期的にチェックを行い、メモを残しておくのもオススメです。次回は、それぞれの体質に合わせた食材を“日本人のソウルフード”「おみそ汁」という視点からご紹介していきます!
(村上 華子)