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わずか730万円で購入した東京23区の2DK 「お化け屋敷みたい」が一変 驚きのビフォーアフター
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「新築が高すぎて買えない!」。今ネット上には物価の高騰により、家を買いたくても買えない人たちの悲鳴が聞こえています。東京23区の新築マンションの平均価格は1億円を突破し、フルタイムの共働き世帯でも、なかなか手が届く価格ではありません。そんな中、「発想の転換をすると、安くて自分にとっていい物件になる」と提案するのは、ミニマリストの森秋子さんです。23区内で築67年の中古物件をリフォーム代を含めわずか1700万円で購入するなど、「常識にとらわれない生き方」に共感が集まっています。
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東京23区でこの価格… リフォームのコツは
現在46歳の森さんは、コロナ禍の2021年に、23区内に築67年の物件を購入しました。間取りは2つの和室とキッチンの2DKで、小さな庭つきの平屋です。土地は約75平米、建物は約45平米。それを23畳ほどのワンルームにリノベーションし、理想のすみかにしました。
驚くのはその価格です。物件が730万円、リノベ費用が約867万円で諸費用合わせても1700万円でした。現在の平均的な住宅価格とは比較にならないほどコストが抑えられています。
なぜ、そのようなことができたのでしょうか。
最大の理由は、物件が「再建築不可物件」だったことです。現在の建物を取り壊して、新たに家を建てることができません。通常は敬遠されがちな物件ですが、森さんは冷静に長短所を考えました。
「避ける方も多いですから競合相手が少ないことがまずはメリットです。取り壊すことができなくても、リノベで工夫すると解決できることも多いです。あとは何しろ固定資産税が安いこと。1度しっかりリノベしてしまえば、収益物件としてもすごく使えますし、自分で住むとしても、すごくいいお家になるなって思いました」
もう一つのポイントは築67年という古さです。内見した第一印象は「お化け屋敷みたい」。内装はボロボロで、畳にはねずみがかじった穴が開き、水回り付近の柱はシロアリが食べ尽くしていました。
「もう本当、無理って思いましたね(笑)。ボロいし、こんなに古い家を果たして直すことなんてできるんだろうかって」
同行した不動産の営業マンも口数少なく、劣化著しい室内は重たい空気に包まれました。
森さんは、リフォームをすれば問題なく住めると考えました。
現在の耐震基準を満たしていない旧耐震の建物でも、平屋ですから土台をしっかり再構築すれば、強度を確保することができます。基礎から作り直し、床下にコンクリートを注ぎ、間取りの壁や収納をすべて取り払うなどして“廃墟同然”だった家を見事に復活させました。
予算を上げればいい家に住めるのは、当たり前のことかもしれません。しかし、森さんはその逆をいくかのようです。リフォームにおいても随所に工夫をこらしました。土台の補強やインフラ関係の古い配管の新調にはきっちりと費用をかけ、そうでない部分は最低限の仕様にして予算内に収まるようにしました。
例えば、キッチンや風呂、トイレは賃貸物件用の設備を取り入れ、コストを100万円以上、浮かせました。自宅をリフォームする人の多くがこだわる部分ですが、使い勝手は変わらないとして割り切りました。一方で、内窓をつけて窓を二重にするなど断熱を徹底。住み始めてからの光熱費を抑えるアイデアを取り入れています。
「持ち家仕様じゃなくても、シンプルで簡素なものが好きなので、全部それでやってくださいっていうふうにしたら、かなり価格が抑えられました。暮らしやすく、楽であることを1番に考えて、あとお財布にも重くないもの、私に優しい費用であることを考えて選んでいます」
