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わずか730万円で購入した東京23区の2DK 「お化け屋敷みたい」が一変 驚きのビフォーアフター

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

築浅、駅近…物件購入条件の“常識”をひっくり返す

土台をしっかりと補強した【写真提供:森秋子】
土台をしっかりと補強した【写真提供:森秋子】

 ここにきて物価はさらに上昇傾向ですが、1700万円で23区内に家が持てるというのは希望が膨らみます。

 森さんは大学卒業後、不動産業界に就職し、25歳で23区内に築14年3DKの中古マンションを購入。その時もリフォーム代込みで1400万円に抑えています。当時は家を買う=新築という風潮が強い時代でしたが、全く気にしなかったそうです。

「ボロい家を職人さんが直して、ピカピカになりました、みたいなビフォーアフターの番組が大好きだったので、直して住んだり、古いものをもう1回使うみたいなものへの憧れのほうが強かったんだと思います」

 世間で言われる“いい物件”は、立地や築年数など、さまざまな条件がありますが、森さんは物件選びに悩む時は、“発想の転換”が大切だと教えてくれました。

「広くて新しくて駅近で……っていうところがいい家だというバイアスがあって、消費行動もコントロールされているけど、例えば、駅からちょっと離れていたら、歩くからジムとか行かなくても済むとか、発想の転換をすると、安くて自分にとっていい物件になると思うんですよね」

 家で料理をほとんどしないのならキッチンは狭くてもいい。友人を呼ばないのであれば、寝るスペースがあれば十分です。「部屋を自分仕様に思いっきりカスタマイズすると、住宅費ってそんなかからないんじゃないかなと思います」。ちなみに新居は最寄りの駅からは徒歩12分ほど。運動と思えば、程よい距離の立地です。しかも、近隣の住宅に比べると、購入費は破格というしかありません。

狙うは“ワケあり物件” 次なるターゲットとは?

賃貸物件用の設備でコスト削減【写真提供:森秋子】
賃貸物件用の設備でコスト削減【写真提供:森秋子】

「私が購入した物件って、再建築不可物件でない土地を買うと、もう3倍、4倍しちゃって、絶対手が届かない感じなんです。再建築不可物件でなければ絶対買えない立地に、再建築不可物件でなければ絶対買えない広さの土地を持てるっていうのが1番のメリットかもしれないです」

 仮に4倍だとすると、6800万円です。金利が上昇傾向にある中で、長期の住宅ローンを組まざるを得ない状況になってしまうでしょう。競合の少ない“ワケあり物件”を真剣に検討し、リフォームに知恵を絞って、理想的な家を作る。そして完成までの過程を、目いっぱい楽しむことも森さん流です。

 高額なマンションは投資目的な人も多いですよね。でも、森さんにはこのような考えは最初からありません。

「投資目的とかは全然ないですね。貸したりすることは想定していますけど、売る場合には損して売ってもいいぐらいの感じです。目的が複雑に増えちゃうと何が自分のとって大切なのか分からなくなるんですよね。本当、ピュアな『欲しい!』気持ちで買っているのが大事だと思うので。築67年の家、誰かにとって価値は全然なくても、私にとってすごい価値があれば、それでいいですね。まずは『自分のとって良い家』であることが最優先です。で、将来的には、私にとってこんなに価値があるんだったら、私と似た価値観の人にとっても価値があるはずだ、と思っています」

 森さんはリフォームまでの過程を新著「ミニマリスト、1700万円で家を買ってリノベする 東京23区・築67年小さなボロ家がよみがえりました」(KADOKAWA)にまとめました。住みやすさを追求した暮らし、堅実な生活ぶりは評判を呼んでいます。

 株などの投資は一切やらず、浮いたお金は貯金しているという森さん。新たな不動産購入に充てることも考えているそうです。

 今度はどんな物件を狙っているのでしょうか。

「風呂なし物件とか、妖怪ウォッチとかに出てきそうなところに住んで、銭湯通いしてとか、そういう体験をするのがちょっとした夢みたいなのはあります。あとは湯沢とか、すごい廃墟になったリゾートマンション。よくテレビでやっているじゃないですか。1万円で買えるみたいな。ああいうところに実際住んじゃったらどうなんだろう? とか情報を見ているとチャレンジングだな、すごいな! と思います。価値がないって言われることが本当なのか、自分で実際にやってみて確かめたい。本当は面白いことなんじゃないかな? と心惹かれるというのがあると思いますね」と、愛嬌たっぷりに結びました。

※情報は取材時の3月末時点のものになります。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)