仕事・人生
元宝塚トップ娘役の妻に任せきりだった家事と子育て 中山秀征さんが唯一口を出したこととは
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芸能生活40周年を迎えた、タレントの中山秀征さん。さまざまな人との出会いや人間関係を、大切に積み上げてきました。「人生で最大の転機」というのが、妻で元宝塚歌劇団・星組トップ娘役の白城あやかさんとの出会いだったそうです。インタビュー最終回の3回目は、夫婦や家族のコミュニケーション、気配りについて伺いました。
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2度目の出会いでお互いに結婚を意識
中山さんが白城さんに初めて会ったのは、宝塚の娘役トップお披露目公演を観劇したあとの食事会でした。宝塚にまったく興味がなかった中山さんでしたが、お世話になっている事務所関係者から観劇に誘われ、しぶしぶ出かけていったそうです。
それが、3年後にまたデスクから宝塚観劇の誘いを受けます。さんざん断ったにもかかわらず「あやかちゃんが来るから、お食事しましょう」と声をかけられ、またしぶしぶ出かけることに。その頃の白城さんは、実力も美貌もそろった娘役として大人気の円熟期を迎えていました。
「ホテルのラウンジで待ち合わせをしたのですが、終演後、彼女が『お待たせしました』と背中越しに声をかけてきたんです。振り向いた瞬間に『俺、この人と結婚するんだ』と思いました」
芸能界とは違う礼儀の正しさや気遣い、丁寧さが、中山さんの心に響きました。そのとき、白城さんも同じ気持ちを抱いたといいます。
「背筋がピンと伸びていて、ごはんを食べていても崩さない。『ゆっくりしてください』と言っても『これが楽なんです』と微笑む。すっかり魅了されてしまいました」
おつきあいは、白城さんが海外公演に行っているとき、中山さんの誕生日にお花が贈られてきたことから始まります。お礼を言うために「また、みんなでごはんを食べましょう」と連絡。それがきっかけになりました。
けんかもしなかったというふたりは、1998年に結婚。しかし、式について意見が初めて異なり、揉めることになります。教会で式をやりたかった白城さんに対して、神前でやりたい中山さん。結果、大がかりな結婚式になり、出席者は約600人の規模に。
宝塚という独特の世界で生きてきた白城さんが、最も大事にしていたのは「後悔しない生き方」。生活をともにすることで、中山さん自身も刺激を受け、互いにリスペクトする関係性になっていったそうです。
4人の子育てはふたりの共同作業
育った環境も違えば、価値観も違う。子どもが生まれてからは、子育てだって考え方が異なるのも当然です。それをすり合わせていく日々が始まりました。
「子どもが1人、2人と増え、その後3人に。4人になると、ふたりで協力し合わないとどうにもならない。いろいろなことをふたりで協力するようになって、また会話も増えたと思いますね」
一方で、家事に関しては、確かに妻任せだったと振り返ります。
「長男が生まれてから、ほとんど家にいないくらい仕事をしていた時期は会話もなくなり、妻はひとりで子育てをして孤独だったと聞きました。働いてはいけないと縛ったつもりはなく、彼女がやりたいことを応援するつもりでした。『うまく手配すれば、仕事もできるだろう』と言ったのですが『子どもが小さいうちは、絶対に離れたくない、後悔したくない』と」