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からだ・美容

「どんな人が不妊になりやすいのでしょうか?」 不妊の原因を専門家に聞く

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:小松原 千暁

子どもを望んでも授からない不妊になりやすい人の傾向はある?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
子どもを望んでも授からない不妊になりやすい人の傾向はある?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 子どもを望んでいるのに、なかなか授からない場合、妊娠を妨げる原因として、どのようなことが考えられるのでしょうか。不妊になりやすい人とは? 妊娠の成立や不妊の原因について、不妊症看護認定看護師の小松原千暁さんに伺いました。

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妊娠が成立するためにたどる多くのプロセス

 不妊とは、妊娠を望む健康な男女が、一定期間避妊をしないで性交しているにもかかわらず、妊娠しないことをいいます。この「一定期間」について、日本産科婦人科学会では「1年」が一般的であるとしています。

 ただし、1年というのはあくまで目安のひとつ。年齢を重ねるごとに妊娠する力は下がっていきます。「妊娠しにくいかもしれない」など、不安や疑問を感じたら、男女とも早めに専門の医療施設を受診することが大切です。

 妊娠は、「排卵」「射精」「受精」「着床」など多くのプロセスがあり、その一つひとつを経なければ妊娠は成立しません。まず、妊娠の仕組みについて確認しておきましょう。

 2つの卵巣では、周期ごとにたくさんの卵胞が成長し、大きく成熟した1個の卵胞から卵子が腹腔内へ飛び出します。これが「排卵」です。排卵した卵子は卵管采に取り込まれます。

 腟内に「射精」された精子は、子宮頸管から子宮内を通り、卵管を目指して進みます。通常、1回で放出される精子は1億個以上ですが、卵管までたどり着けるのは、数百~1000個ほどです。卵子の受精する能力は排卵してから1日程度と短く、いかに卵管で精子とタイミングよく出会うことができるかがポイントとなります。

 たくさんの精子が頭から酵素を出しながら真っすぐに泳ぎ、卵子の周りの膜を全力で溶かします。このために元気の良い精子が集団でアタックしなければならないのです。卵子の膜が薄くなり精子が1個入ると「受精」が成立し、ほかの精子は入れなくなります。

 翌日には受精卵となり、細胞分裂を繰り返しながら、卵管から子宮へ移動します。受精卵が子宮に到達する頃には、胚盤胞と呼ばれる状態になります。その頃の子宮内膜はホルモンの影響を受けて、水分を多く含んだみずみずしいスポンジのような状態になっていて、子宮に到着した胚盤胞がそこに潜り込みます。これが「着床」です。一般的に、受精から12日程度かかります。