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からだ・美容

「どんな人が不妊になりやすいのでしょうか?」 不妊の原因を専門家に聞く

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:小松原 千暁

加齢や喫煙も…考えられる不妊の原因とは

 不妊の原因は、これらのプロセスのどこかに問題がある可能性があります。女性側、男性側、それぞれ主な原因として考えられることは次の通りです。

○加齢
 女性は加齢とともに、卵子の質が低下し、数も減少し、染色体異常の確率が上昇します。そのため、35歳を過ぎると妊娠の確率が低下し、40歳を超えるとさらに妊娠が難しい状況になりやすいです。男性は加齢とともに精子の質が低下し、DNAの損傷が増えるため、受精や胚発育に影響し、不妊のリスクが高まります。

○体重
 男女とも肥満はホルモンバランスを崩し、排卵障害や精子の質低下につながると考えられています。また、痩せすぎもホルモンバランスの乱れが起きやすく、女性の排卵や男性の精子生成に影響が及びます。標準BMI値となる19~24を目指しましょう。

○喫煙・飲酒
 喫煙は、卵子も精子も質を低下させ、不妊のリスクを高めると考えられています。妊娠を目指すなら禁煙してください。過度のアルコール摂取もホルモンバランスの乱れにつながり、妊娠の可能性が低下します。適量を心がけましょう。

○女性の健康状態
 妊娠を妨げる主な原因として挙げられるのは、ホルモンバランスの乱れによって卵胞が発育しにくいことや排卵しにくいことなど月経不順につながる排卵の問題です。また、卵管が詰まったり狭くなったりして精子や卵子、受精卵の移動を妨げる卵管の問題もあります。さらに、ポリープや筋腫、内膜症、子宮内膜の厚さや血流不良によって着床しにくい子宮の問題です。このほか、免疫系や遺伝的な問題などが原因であることも考えられます。

○男性の健康状態
 元気な精子を作ることができない造精機能の問題、精巣で作られた精子が射精時に出てこない精路通過の問題、勃起が十分ではないなどで性行為ができないことや射精ができないことなどの性機能の問題が挙げられます。

 不妊の原因は、こうした因子が単独であったり、複数が組み合わさっていたりしていることがあります。医療施設の検査で原因を見つけ、適した治療法を見つけることが、妊娠への道を開くカギとなるでしょう。

(Hint-Pot編集部)

小松原 千暁(こまつばら・ちあき)

不妊症看護認定看護師、生殖医療コーディネーター、妊活支援ナース育成コーチ、日本生殖看護学会理事。不妊治療の専門クリニックに約20年間勤務した経験より、日本の性教育に妊娠する力の妊孕性(にんようせい)に関する情報が少ないことを実感。現在は生殖医療の看護師を指導する一方で、不妊治療を受ける患者さんや若い世代に向けて、自ら選択できるように妊活の正しい知識を広める活動を行う。妊活についての情報サイト「妊活の歩み方」でお役立ち情報を発信中。