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夢は「殺虫剤のない世界」 夏休みの自由研究、8歳少年の“発明”が反響 「めちゃ優秀」「何者ですか」
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小学校1年生のときは、学校での騒動をきっかけに「ゴキブリの生態」について研究

捕獲器をきっかけに、今年はクモの研究に取り組んでいるという湊太くん。ちなみに、小学校1年生で取り組んだ自由研究のテーマは「ゴキブリの生態」でした。夏休み前、学校内にゴキブリが出たときの騒動が、異色の題材を選ぶきっかけになったといいます。
「みんなが殺そうとするので、僕が手で捕まえて外に逃がしてあげたんです。嫌われ者の虫でもいいところ、面白いところがたくさんあるとみんなに知って欲しくて、いろんなゴキブリの生態をまとめて発表することにしました」
静岡・竜洋昆虫自然観察公園の副館長で、新種のゴキブリを何種類も発見している“ゴキブリ博士”柳澤静磨さんの元を訪ね、沖縄にいるダンゴムシそっくりのゴキブリや、捕獲・殺傷などが法律で禁じられ保護されているゴキブリ、「グリーンバナナゴキブリ」というユニークな和名の種など、さまざまなゴキブリを観察。夏休み明けに調べた結果を発表し、担任の先生やクラスメートからも好評を博したそうです。
そんな湊太くんが今関心を寄せているのが「生物的防除」という仕組み。天敵となる生物を利用して、害虫や病気を防除する方法で、化学農薬に頼らず自然の生態系を利用するため、環境への負荷が少ない持続可能な防除方法として注目されています。湊太くんの母は「ゴキブリ騒動のあと、友達からいろいろ言われたり、つらい思いもしたみたいです。本人はずっと『嫌われ者を人気者にしたい』と話していましたが、世の中には虫が苦手な人もいる。かわいそう、殺したくないという気持ちだけでは人間が困ってしまうという現実を知り、『人と虫が共存できる世界を作りたい』と生物的防除の考えに関心を持ったみたいです」と本人の思いを代弁します。
「カマキリやクモに捕まって食べられるのは、他の命が生きることにつながるけど、殺虫剤や農薬を使うと、それを食べる益虫とか微生物とか、生態系にもよくない影響が出ちゃう。日本でも生物的防除を専門に研究している大学があるので、僕もそういう勉強をして、いつかは殺虫剤のない世界を作りたい」と湊太くん。小さな虫博士の今後の発明に期待です。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)