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「サラダ記念日」から38年 俵万智さんが語る、多忙を極めたブーム当時 教員との二足のわらじの日々
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「サラダ記念日」誕生の背景

――「サラダ記念日」で記念日になった7月6日は、実際に何かのイベントが起きた日なのでしょうか?
「その日に本当に何かあったわけではないのですが、ちょっとした料理の工夫を『おいしい』と言ってもらえたことがうれしくて、そんなささやかなことが記念日だなと思えた出来事がありました。
ただ、そのまま表現すると歌にならないので、サラダというサブのメニューがいいかなとか、具体的な記念日を定めたほうが説得力があるかなということで、サラダのS音と7月のS音が“さ行”で、さわやかに響き合っていいかなと感じて『七月六日はサラダ記念日』に決めました。言葉の響きって、歌にとってとても大切なので」
教科書にも掲載されている、俵さんの「サラダ記念日」。刊行当時を知らない若い世代からは「まだ生きている方だったんですね」と、歴史上の人物と認識されることもしばしばあるそうで、SNSのプロフィールには「#存命なう」と入れるなど、ユーモアあふれる一面も。
若者文化も柔軟に取り入れ、話題のテレビや映画にも親しむ俵さんとのお話は、1987年に起きた「サラダ記念日」のブームを知っている私にとって、楽しくも緊張感のあるインタビューになりました。4月に出版した新刊「生きる言葉」(新潮新書刊)は、生きる力につながる言葉の力。日本語の足腰を鍛え、“コミュ力”を高めたい方におすすめの一冊です。
(日下 千帆)
