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日本では小学2年生で習うのに、“英語脳”の息子は覚えるのが難しいこと 日本人ママの意外な悩みとは
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日本の算数・数学は世界トップレベルといわれますが、日米の小学校の算数には、どのような違いがあるのでしょうか。ハワイで8歳と5歳の子どもを育てる主婦ライターのi-know(いのう)さんは、3年生になった息子さんがまだかけ算を習っていないことに、焦りを感じているそう。第63回のテーマは「アメリカで九九を覚えるぞ!」です。
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日本の教科書を見て気づいた驚きの事実
新しい学年が8月初旬からスタートし、ハワイで小学3年生になった息子。思い返せば、5月に2年生を終えたとき、勉強面で何か物足りないような、悶々とした感覚がありました。
そんな折、ハワイの日本領事館で無料配布されている日本の教科書を手に取ってみると「そういえば、日本では2年生でかけ算を習うんだった」と気づきました。そして、ハワイの小学2年生は、まだかけ算を習わないという驚愕の事実を知ったのです。
ハワイは、アメリカ50州のなかでも教育レベルが中の下、あるいは下の上といわれることがあります。なので、2年生でかけ算をやらないのかな? と思い、市販のワークブックを参照するために書店・バーンズ&ノーブルに足を運びました。
ちなみに、ハワイに実店舗をかまえる書店は、こちらの1店舗しかありません。タブレットで読書をする人や、本をオンライン書店で購入する人が増えている、はたまたシンプルに、ハワイではあまり読書が盛んではないといった理由が考えられます。
そんな唯一無二の書店にて、小学2年生と3年生のワークブックを確認してみると、どうやらハワイだけでなくアメリカ全土において、一般的にかけ算は3年生で習うようです。算数は日本のほうが進みが早い、レベルが高いとは前々から聞いていましたが、本当でした。
バイリンガル教育では算数を教えるのも難しい!

息子は、日本だと小学2年生。九九の勉強が始まる学年なので、日本の子どもに遅れをとらないよう、日本からかけ算・九九のワークブックを取り寄せました。日本で人気の「うんこドリル」(文響社刊)です。
まず大前提として、アメリカには九九がありません。そして、かけ算の考え方自体も少し違っています。たとえば、日本では5×2なら「5が2個」、2×5なら「2が5個」と考えるでしょう。ところが、アメリカではどちらの場合も「2を5回足す」という考え方が基本です(必ずしもその考え方に固定されているわけではありません)。
そのため、最初は「2、4、6、8、10」と2の倍数を頭の中で思い浮かべたり、指を使って「2×5の解は10である」と導き出したりする練習をします。しかし、九九を暗記していれば「ごにじゅう」の一発で答えが出ます。一瞬で答えが出せる日本に比べると、アメリカは遠回りで効率が悪く見える方法です。
そこで、「絶対に日本の九九を覚えたほうが良い!」と、夏休み中に母子二人三脚で「にいちがに」「ににんがし」と九九の暗記に取り組みました……が、問題発生! ハワイの現地校に通い、勉強面では完全に“英語脳”な息子にとって、5×2は「ファイブ・バイ・ツー」なので、九九のときだけ日本語スイッチを入れるのは難しいようです。
バイリンガル教育において、日本語の読み書きの難しさはよくいわれることですが、算数でも大きな壁を感じた出来事でした。
