話題
「このブーツ、黄色が素敵!」 安全性とおしゃれを両立した車いすユーザーの足元 「とがった」革新的デザインに大反響
公開日: / 更新日:

鮮やかな黄色が目を引くスタイリッシュなブーツが、X(ツイッター)で5.6万件もの“いいね”を集め、話題になっています。実はこのブーツ、車いすユーザーの安全を守るために開発された、革新的なユニバーサルデザインファッションアイテムです。投稿者の小川修史■NextUD LAB.(@ogatti21)さんに、このブーツに込めた思いと、開発の経緯を詳しく伺いました。
◇ ◇ ◇
安全性とファッション性を両立させた「バナナブーツ」
ユニバーサルデザインファッションの研究開発を手がける、NextUD LAB.の小川修史さん。SNSなどで発表している作品は、障害がある人の課題を解決しながらも、すべての人にとって魅力的なデザインを追求したものばかりで、注目を集めています。
今回話題になったのは、車いすユーザーの安全性を考慮した黄色いブーツです。投稿では「車いすは座高が低いため、とくに夜道は事故に遭いやすい。そのため、反射材や目立つ色の服装が必要なんです」と、開発の背景を説明。海外からの旅行者に「このブーツ、黄色が素敵!」と声をかけられたエピソードも紹介しました。
この投稿には、なんと5.6万件の“いいね”が。返信(リプライ)には「普通にイケてる そして、実用性が素敵~」「隠さないで目立たせるのが素敵」「防御力MAXなうえにかっこいい称号までつく伝説の防具みたいで最強じゃん!」など、称賛の声が殺到しています。
機能性を「隠す」のではなく「とがらせる」

このブーツの最大の特徴は、前後左右に配置された4本のジッパー。「身体に障害があるとブーツを履けない」という声をきっかけに、Paris Fashion Weekに挑戦したメンバーと試作品を作り、靴のデザイン会社であるMAGARIMONOに商品開発を依頼しました。
「従来のジッパー1本では着脱が困難だったため、『それなら前後左右に4本つけてしまおう』という発想に至りました。別名『バナナブーツ(バナナの皮のようにむけるブーツ)』と呼んでいます」

開発において、小川さんが最もこだわっているのは、機能性を「隠す」のではなく「とがらせる」ことだといいます。
「機能性を高めるとファッション性が損なわれやすいですが、それを逆にデザイン要素として再解釈することに挑戦しています。今回のブーツは、その意味で『とがった』一足になったと思います」
