Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

話題

「このブーツ、黄色が素敵!」 安全性とおしゃれを両立した車いすユーザーの足元 「とがった」革新的デザインに大反響

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

対話から生まれる革新的デザイン

レディースや小物以外のアイテムも【写真提供:小川修史■NextUD LAB.(@ogatti21)さん】
レディースや小物以外のアイテムも【写真提供:小川修史■NextUD LAB.(@ogatti21)さん】

 SNSでの反響で最もうれしかったのは、障害のある人だけでなく、そうでない人からも「おしゃれ!」「自分も履いてみたい!」という声が寄せられたことだそうです。

「『障害のある人に必要な機能をとがらせれば、多くの人にとって価値になる』という私たちの信念が、間違っていなかったと実感しました。また、『素敵なものが、実は安全性や機能性も兼ね備えているのが大切だと思います』というコメントもいただき、ファッションと機能性の共存の意義を多くの人に感じてもらえたことが本当にうれしかったです」

 NextUD LAB.が目指しているのは、「障害のある人だけに向けたファッション」ではなく「すべての人に向けたファッション」。その実現のために、障害のある人と常に“ともに”開発することを大切にしています。

 今回、モデルを務めた木下春菜(haruna_kinoshita_)さんも、車いすユーザーです。NextUD LAB.のイメージモデルを務めながら、開発メンバーとしても参加しています。

「私たちだけでは固定観念にとらわれがちですが、社会的マイノリティの人々との対話を通じて、初めて既視感のないデザインが生まれると考えています。一般的に、必要な機能性は隠されがちですが、私たちはあえて強調します。今回のブーツではジッパーを目立たせ、それがバズる要因にもなりました」

世界に向けて発信するユニバーサルデザインの可能性

 小川さんは現在、SNS発信や講演活動を中心とした啓発活動を行っています。NextUDの視点で開発したファッションをSNSに投稿したところ、大きな反響があり、教育機関からの講演依頼が急増。さらに、アパレル企業や海外の研究機関からの問い合わせも相次いでいるといいます。

 今後の目標は、海外コレクションでのファッションショーを開催すること。また、メンバーの谷口さんが立ち上げた世界初のNextUDファッションブランド「NUD.」が成功し、NextUDファッションを実際に多くの人に着てもらうことを目指しているそうです。

「ファッションには人を勇気づけ、自信を与える力があります。その力をすべての人が感じられる世界をつくりたい」と語る小川さん。黄色いブーツから始まったファッションの新たな可能性は、今後さらに広がりを見せそうです。

 小川さんの活動は、NextUD LAB.NUD.のウェブサイトで詳しく知ることができますよ。

(Hint-Pot編集部)