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「私だけ刺される?」 蚊に刺されやすい人の共通点と予防策 医師が解説
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刺されたらすぐに冷やす かき壊しは二次感染の原因に
蚊に刺されてしまったら、刺された部位を冷たい水で洗い流し、清潔にします。その後、保冷剤または氷をタオルで包んだものなどで冷やしましょう。血管が収縮するので、炎症やかゆみがやわらぎます。
かゆみや腫れがある場合は、我慢せずに市販の薬を使いましょう。かゆみが中心の場合は抗ヒスタミン成分配合の塗り薬、赤みや腫れが強い場合は炎症を抑えるステロイド外用薬が効果的です。
避けたいのは、かき壊すこと。皮膚のバリア機能が破壊され、細菌が侵入してとびひ(伝染性膿痂疹)などの二次感染を起こす原因になります。かゆみを我慢できない場合は、薬を塗った上から絆創膏やパッチを貼るのも、ひとつの方法です。
かゆみや腫れには個人差がある
蚊に刺されたあとのかゆみや腫れは、蚊の唾液に対するアレルギー反応です。蚊は吸血する際、血液が固まらないように唾液を注入します。この唾液に含まれるたんぱく質を、私たちの体は異物として認識。免疫システムが稼働し、かゆみや赤み、腫れになって現れるのです。子どもは免疫が過敏に反応しやすい傾向があるので、かゆみや赤みが出やすいといえます。
なかには、蚊アレルギー(スキーター症候群)の場合もあります。刺された部位がパンパンに腫れ上がったり、水ぶくれになったり、微熱が出たりします。蚊の唾液たんぱく質に対する強いアレルギー反応であり、とくに子どもや、旅行先などで普段と違う種類の蚊に刺された大人に見られます。
もし、刺された部位が異常に腫れ上がったり、全身のむくみやじんましんが出たり、息苦しさを感じたりするなどの症状が現れた場合は、速やかに皮膚科を受診してください。正しい知識と対策で快適な秋を過ごしましょう。
林外科・内科クリニック理事長。国立佐賀医科大学卒業後、救急や外科医として診療経験を積み、2007年に父の診療所を継承。現在は外科医の父と放射線科医の妻とともに、医療・介護の両面から地域を支える有床診療所と老人ホームを運営。福岡県保険医協会会長として医療情報の発信にも尽力。日本外科学会外科専門医、日本抗加齢医学会専門医ほか多数の資格を保有。
(Hint-Pot編集部)
