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「育児こそが最高のリスキリング」 元L⇔R黒沢秀樹さんが“自主育休期間”に挑戦した資格取得 到達した明確な結論

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

さまざまなことに挑んだ“自主育休期間”

多くのことに挑戦している黒沢さん【写真:くさかべまき】
多くのことに挑戦している黒沢さん【写真:くさかべまき】

 黒沢さんは、保育士試験にも挑戦。「産業カウンセラーの勉強がけっこう大変だったから、勉強は追いついていないけど、とりあえず受けてみよう」と、3回かけて、9科目の学科試験を突破しました。

 さらに、実技試験では、息子に読み聞かせをしてきた経験と、プロとして培ったギタースキルを活かし、難なくクリアしたとか。

 資格取得だけでなく、ウェブマガジン「ホテル暴風雨」で育児エッセイを連載をしたり、世田谷区のNPOで両親学級のファシリテーターをしたり、親子が集まる「おでかけひろば」のお手伝いをしたりと、“自主育休期間”中に黒沢さんは新しいことに次々とチャレンジしてきました。

 一連の体験を通じて、黒沢さんが到達した結論は明確だといいます。

子どもを育てることは“当たり前”ではない

「実際のところ、育児こそが最高のリスキリングなんですよね。毎日毎日が新しいことの連続なわけです。子育ては、レジリエンス(耐久力)をものすごく高めることに繋がります」

 育児には、おむつを変えたりあやしたりといったさまざまなスキルや、必要な栄養を与えるなど健康を管理するためのたくさんの専門知識が必要とされます。また、複数のタスクを同時進行し、成長過程で起こるさまざまな問題にも臨機応変に対応しなければなりません。

「何かで読んだのですが、育児を専門職として誰かに委託したとき、3000万円以上かかるそうです。皆さんに心から伝えたいのは、子どもを育てるのは全然“当たり前”ではないということ。ものすごい仕事をしているんですよ。だって人間1人を育て上げるんですよ」

 特別なことをしているからこそ、黒沢さんは、できる限り「育児の記録を残してほしい」と訴えます。

「育児ノートでも写真でも何でもいいんですけど、残しておくことってやっぱすごく大切です。せっかく得た経験や知識を、これから子育てをする方たちに提供してあげられる機会を作れたらいいのになって思います。子育て終わったからおしまいじゃなくて、知識とか技術を循環させていきたい」

 育児期間を人生最大の学習機会として積極的に活用する黒沢さん。新しいことを学び続ける好奇心と、それを社会に還元しようとする姿勢は、まさに「育児こそが最高のリスキリング」を体現しています。

◇黒沢秀樹(くろさわ・ひでき)
1970年8月28日生まれ。1991年、L⇔Rのギタリストとしてミニアルバム「L」でデビュー。1995年のシングル「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」の売り上げ枚数は134万枚。文芸ポータルサイト「ホテル暴風雨」で連載した育児ノート「できれば楽しく育てたい」シリーズを出版。ミュージシャン、コンポーザー、音楽プロデューサー、執筆家、心理カウンセラーなど、幅広く活躍している。

(Hint-Pot編集部)