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仕事・人生

「職業・黒沢秀樹」 50代で老眼が進んでも「キャリア」と感じられるプラス思考 固定観念にとらわれない生き方

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

とらでぃっしゅとの共演がひらく、新たな民俗芸能の形

大学生のスタートアップ企業で執行役委員も【写真:くさかべまき】
大学生のスタートアップ企業で執行役委員も【写真:くさかべまき】

 2つ目は、広島大学の現役大学生・片桐萌絵さんによって立ち上げられた、とらでぃっしゅ株式会社。黒沢さんは、スーパーバイザーとして参加しています。

 同社は「民俗芸能に新たな風を」というコンセプトを掲げ、地域文化や民俗芸能の新しい可能性を模索。伝統と現代の表現をつなぐプロジェクトを展開しています。日本で減りつつある神楽やお祭りといった地域資源を、若い世代にも響く、新たな“文化の形”として提示することを目指しているのです。

 黒沢さんは、地域の若者とともにこうした活動を推進し、全国で消えゆくお祭り文化を未来へ残す役割を担っています。

「職業・黒沢秀樹」という生き方

 すべての体験が自分のキャリアになるととらえている黒沢さん。そうした考えは、ネガティブなこともポジティブにします。

「たとえば、若い頃からずっと視力が良かったのですが、50代になって一気に老眼が進みました。それで、目が悪い人の気持ちがわかるようになったんです。今まで知らなかった世界を知る、ちょっと新鮮な体験ですよね。こうした体の変化ひとつとっても、すべてのことがキャリアになると思います」

 つらいときや大変だったときにどう乗り越えたか、それこそがキャリアとしては「すごくプラスになる」と語ります。だからこそ、黒沢さんが目標としているのは、自分の生き方を見た人が元気になることです。「こういう生き方もあるんだ」と、柔軟な発想を持つきっかけになれたらと願います。

「僕はもう『職業・黒沢秀樹』っていうことにしたんですね。ミュージシャンだけど、産業カウンセラーだってできるし、保育士の資格も取った。執行役員もやっているし、自分の会社もあります。これから60代になっていく世代として、若い人たちに僕の生き様がどんなふうに見えているのかということが、とても大事だと思っています」

 固定観念にとらわれず、すべての体験を自分のキャリアに変えていく。そんな柔軟で前向きな姿勢こそが、「職業・黒沢秀樹」の真髄なのかもしれません。

◇黒沢秀樹(くろさわ・ひでき)
1970年8月28日生まれ。1991年、L⇔Rのギタリストとしてミニアルバム「L」でデビュー。1995年のシングル「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」の売り上げ枚数は134万枚。文芸ポータルサイト「ホテル暴風雨」で連載した育児ノート「できれば楽しく育てたい」シリーズを出版。ミュージシャン、コンポーザー、音楽プロデューサー、執筆家、心理カウンセラーなど、幅広く活躍している。

(Hint-Pot編集部)