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「随分と外国人が増えたな」 ニューヨーク在住日本人が一時帰国で実感した日本の変化
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子どもの数が減り続け、社会のあり方そのものが変わりつつある日本。少子化は数字だけでなく、学校や地域、働き方など、私たちの暮らしに直接影響を与えています。ニューヨークで暮らす著者が一時帰国して感じたのは、街の風景や人々の生活に表れ始めたその変化でした。この連載では海外生活の視点から日本を見つめ直し、日常に潜む社会の動きを考えていきます。第28回は「少子化と私たちの暮らしへの影響」です。
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少子化は先進国共通の問題ではあるが
2024年に生まれた日本人の子どもの数は68万6061人にとどまり、出生数が初めて70万人を割り込みました。1人の女性が生涯に産む子どもの数の指標となる出生率も、1.15と過去最低を更新しました。
総務省の推計によると、2024年の日本の総人口は1億2380万2000人(外国人を含む)で、外国人を除いた人口は、1億2029万6000人となり、前年より89万8000人減っています。
日本では少子化や人口減が問題となっていますが、アメリカではどうなのでしょうか。
アメリカの人口は増えています。2022年に約3億3400万人で、2023年は約3億3650万人。2015年は約3億2000万人だったので、ここ10年増加傾向にあるといってよいでしょう。
一方で、アメリカの出生率は1.599で過去最少を更新しました。日本と同じように少子化の傾向は続いていて、対策も十分な成果にはつながっていません。子育て支援が充実しているといわれているフランスでさえも、出生率の低下を完全には止められていないなど、先進国に共通する課題になっています。
それでもアメリカの人口が増えている大きな理由は国際移民です。2023年から2024年にかけての人口増加のうち、80%以上は純移民(移住してきた人-国外へ出て行った人)によるものなのです。
