仕事・人生
日本では当たり前だった常識から脱却 ロンドンで働く日本人女性が気づいた自分らしい働き方と生き方
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お客様とは対等な関係

店舗マネージャーとして接客を担当する植木昌予さんが最も印象的だったのは、スタッフとお客様の関係性でした。日本で看護師として働いていた頃、患者さんやそのご家族との関係は常に気を遣うものでした。接客業でも同様に、「お客様は神様」という意識が働く場面が多いですが、ロンドンに来て、植木さんはその考え方が大きく変わったといいます。
「ロンドンでは、店員とお客様が対等で、こちらが悪くない場合は『うちは間違っていません』と言い返すこともできます」
植木さんの担当する店舗は、ロンドンのコベントガーデンという観光客にも人気の場所。その立地柄、「WA Cafe」にはさまざまな国や文化背景のお客様が訪れ、ときには理不尽な言動を受けることもあると明かします。
「お互い第一言語じゃない英語で話すと、意思の疎通が難しいんです。割と自分の主張が強い方が多いので、リスペクトがないというと言いすぎですが、アジア人の女性が店舗に立っていることで『軽く見られているのかな』と感じたり、嫌な目をされたりすることが何度かありました。『なんでこんなこと言われなきゃいけないんだろう』と思うこともありました」
たとえば、ロンドンには、並ぶという文化があまり根付いていない国のお客様も多く、順番を守らないことでトラブルになることも。そうした場面で、植木さんは事情を説明して理解を求めるように努め、スタッフがお客様から不当な言葉を受けた場合には、店舗マネージャーという立場上、自ら前に出て対応します。
イギリスでは理不尽な要求に対してもきちんと「ノー」と伝えられる環境にあるようです。
