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昭和生まれの日本人ママが驚愕 破壊されてもハワイの親はただ見守る…アメリカに定着する“叱らない育児”に感じたギャップとは
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ケース2「“叱らない育児”信者ママさんの場合」
あるママ友は、“叱らない育児”の理念に心から共感しているタイプ。参考書に書かれた言葉の数々を付箋に書き出し、目につく冷蔵庫に貼るほどです。
しかし、8歳になる娘さんは、学校で先生に叱られたり、友達が先生に叱られた場面に遭遇すると、落ち込んでしまったり、学校に行くのを嫌がったり……。叱られることに対して免疫がないので、「行く末が心配」とママさんは案じています。
ちなみに、ハワイの先生はよく叱ります。これは、私にとって意外なことでした。温暖な気候も相まって、子どもたちにおおらかに接してくれそうなイメージでしたが、実は私が育った昭和の小学校並みに、子どもを怒鳴って叱ります。
小学生の子どもにルールを守らせるには、一定の厳しさが必要な場面もあるのでしょう。ただ、私の息子の場合は、大声で怒鳴る担任を怖がるようになってしまい、勉強の理解度が下がるわ、授業態度も悪くなるわで、また先生に怒られる……という悪循環に陥ったことがありました。
個人的に、家では“叱る育児”でしっかりとしつけをし、学校では叱らずに寛容であってほしいというのが理想です。
ケース3「子どもと友達でいたいママ友」
10歳の男の子を育てるママさんは、“叱らない育児”を徹底しているタイプ。叱らずに寛容であることを学校に求める私とは、真逆の意見を持っています。そのママさんの意見はこうです。
「子どもとは生涯の友達でありたい。だから私は“叱らない育児”を徹底しているの。私の代わりに学校の先生にはどんどん叱ってもらって、叱られることへの耐性を息子につけてほしいわ」
その考えを聞いたとき、あまりに人任せだなぁと、思わず苦笑いしてしまいました。アメリカには本当に、いろいろな価値観を持つ親がいるものです。
子育ての考え方は、100人いれば100通りあります。しかし、アメリカでは「gentle parenting(優しい子育て)」の意味を履き違えている親に対し、皮肉を込めて「ただ優しくしているだけで、子育てをしていない」という声も上がっているようです。
そんな「gentle parenting」がベースとなる、日本の“叱らない育児”。その行く末を慮っている昭和生まれの私の考えは、少々古いのかもしれません。
(i-know)

i-know(いのう)
大学卒業後、フリーランスライターに。お笑い雑誌やファッション誌で、著名人のインタビューを中心に活躍。34歳のとき日本のキャリアに一区切りをつけ、単身ニューヨークへ。その後、ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現在は2人の子ども(8歳、6歳)をバイリンガルに育てるべく奮闘している。