どうぶつ
「引退馬と呼ばない未来へ」の旗手 ヴェルサイユリゾートファームが示す、功労馬の“サードキャリア”と認知度向上の軌跡
公開日: / 更新日:
G1馬も無名馬も―分け隔てない受け入れ

牧場には、日本ダービー馬のタニノギムレット、ジャパンカップを勝ったローズキングダムといったG1馬や、G1戦線で活躍し、Yogibo(ヨギボー)のCMでもおなじみになったアドマイヤジャパン、有馬記念にも出走したジャンプG1馬のオジュウチョウサンといった馬が暮らしています。
一方で、競馬ファンでもあまりなじみのない馬たちも、同じように受け入れられています。
「別に選んでいるわけではなくて、来る馬をそのまま受け入れているだけ。私たちは、ほぼ受け身なんです」
創設当初から「重賞馬しか預かりません」といった制限は一切なし。その姿勢が共感を呼びました。馬の“格”で線を引かないという信念。その一貫した姿勢が、多くの人の心を動かしているのです。
支援の輪が拡大 クラウドファンディング1週間で1000万円

環境の変化を最も象徴しているのが、クラウドファンディングの成功です。
「以前は1000万円を集めるだけでも本当に大変で、それが今では1~2週間で達成できるようになりました。ここまで来られたのは、応援してくださるみなさまのおかげです」
功労馬への理解が深まった証といえるでしょう。
さらに「ここで働きたい」と志願する人も増加。人手不足が課題とされる牧場業界ですが、ヴェルサイユリゾートファームには全国から人が集まってきているそうです。なかには、北海道外から移住して働くスタッフもいるそう。
「競走馬ほどのプレッシャーはないけれど、功労馬を支えたいという気持ちが強い人ばかりです」
岩崎さんだけでなく、その思いに共感したスタッフたちの情熱が、牧場を支えています。
