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重婚日記~笑撃の結婚生活~ 第5話「まさかの衝撃 重婚の上に、さらなる嘘」
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:坂本 尚志

戸籍のある日本で「国内で重婚」が起こり得るとは――。役所に提出した婚姻届は正式に受理済みでしたが、本人も気づかないまま制度の盲点にはまっていたようです。普通の結婚生活のはずが、想定外の出来事が続き、日常は一変しました。何が本当で、何が嘘だったのか。これは、波乱と笑い、そしてレジリエンスに満ちた、ひとりの女性の実話です。
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夫を切るか、子どもを守るか
アメリカ人の夫と結婚し、幸せな家庭を築いていると思っていたRoccoさん。ところが、6年目にして衝撃の真実が発覚する。2人目の子どもを妊娠中、大使館への申請をきっかけに、夫が前妻と離婚しておらず“重婚状態”であったことが明らかになったのだった。
結婚6年目、第2子を授かった私は、子どもたちのアメリカ国籍を取得するために、大使館へ申請に行こうと夫を急かした。そこで判明したのは、衝撃の事実――夫が日本人の前妻と、まだ離婚していなかったということだった。
冷静に考えて、これ、法律的には完全にアウト。重婚は犯罪で、慰謝料請求だってできる。でも、なぜか夫を罰したいとは思わなかった。
30代半ば、第2子妊娠中。ここで離婚してシングルマザーになるのか。それとも重婚状態を解消して婚姻を続行? かなり迷ったし、熨斗をつけて前妻に返そうかと、何度も考えた。
ようやく夫の借金も返し終わって、楽しい生活を取り戻したのに、またここでゼロからの再スタートを切ることに抵抗もあった。一方で、ネットで調べても国内重婚の事例は出てこない。自分が知らないうちに犯罪に加担していたことになるのかもしれないと、不安にもなった。人にも言えないし、調べてもわからない。毎日、フルタイムの仕事と子育てをしながら2人目妊娠中の私は、混乱状態に陥った。いろいろな気持ちが渦巻くなかで、とにかく、この状況を速やかに脱しなければと焦った。
だから結論はこう。これが2度目の離婚宣告。
「とにかく今の重婚を解消するなら婚姻を続ける。でもできないなら別れる」
お願いじゃなくて、条件提示。私が「どうするの?」とだけ夫に聞いたら、「君と続けたいから前の奥さんとは離婚する」と即答した――これ、信用していいのだろうか。