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重婚日記~笑撃の結婚生活~第6話 「家事育児も手伝わない傲慢男」

公開日:  /  更新日:

著者:Rocco

教えてくれた人:坂本 尚志

3人目が生まれても、夫は家事も育児もしないためワンオペ育児に(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
3人目が生まれても、夫は家事も育児もしないためワンオペ育児に(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 戸籍のある日本で「国内で重婚」が起こり得るとは――。役所に提出した婚姻届は正式に受理済みでしたが、本人も気づかないまま、制度の盲点にはまっていたようです。普通の結婚生活のはずが、想定外の出来事が続き、日常は一変しました。何が本当で、何が嘘だったのか。これは、波乱と笑い、そしてレジリエンスに満ちた、ひとりの女性の実話です。

 ◇ ◇ ◇

“ワンオペ無双モード”突入

(前回までのあらすじ)
国際結婚したRoccoさんが、夫の多重債務を乗り越えた結婚生活6年目、第2子妊娠後に衝撃の事実を知る。戸籍制度の盲点を突かれ、夫が前妻と離婚していなかったことが発覚したのだ。すったもんだがあったものの、夫はどうにか前妻と円満離婚。証拠確認のため離婚届受理証明書も取り寄せて、正式に離婚が確認でき、やっと重婚から解放された。

 重婚解消後、3人目を出産した。私はもともと、子どもは3人欲しいと思っていたけれど、夫は前妻との間に子どもがいたからか、本人が子どもだからか、子どもへの興味が薄かった。

 だからなのか、夫は子どもの世話も家事も、ほぼ手伝わなかった。ごくたまにおむつを替えたことがあるくらいか。私はフルタイム勤務しながら、3人の乳幼児を育てるという激務をこなしていた。実家は遠く、支援はない。

 私が働きながらの育児で手いっぱいになって、「さすがに家事・育児を手伝ってほしい」と伝えたことがあった。すると、夫は稼いでいる自分に自信があったのか、衝撃のひと言が返ってきた。

「俺の時給がいくらだと思ってるの?」

 私の年収もそれなりに高額だったけども、夫の年収のほうがずっと高額だった。だから、このひと言にはぐうの根も出ない。そして私は夫を頼ることに一切の期待を持たず、ワンオペを極めることに徹した。

 専業主婦でもワンオペ育児で病む人が多いなかで、私の場合はフルタイム勤務で3人の幼児を抱えても、保育園とベビーシッターを駆使すればなんとか回せた。完璧ではないけれど、要領良くこなすことは得意だ。

 いかに最小限の手間で、クリーンに快適に過ごせるかを考えていたので、基本的に部屋は常にきれいで、来客のたびに「乳幼児が3人もいるとは思えない」と褒められた。1人で回せるようになったので、ワンオペでのストレスもほぼなくなった。

 そんななか、夫の勤務先の会社が日本での事業撤退をすることになり、ほぼ全員解雇となった。多額の退職金をもらったとはいえ、解雇だ。仕事がなくなり、収入が途絶えた。