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重婚日記~笑撃の結婚生活~第6話 「家事育児も手伝わない傲慢男」

公開日:  /  更新日:

著者:Rocco

教えてくれた人:坂本 尚志

無職になっても働かないでゲーム三昧の日々

 解雇後、夫は自宅で毎日ゲームをして過ごしていた。そうして3か月が過ぎ、半年が過ぎ、私は何度も転職活動をするよう促した。夫はすでに50歳近い年齢で、ブランクのある人の転職はかなり難しい。

 私には危機感しかなかったけども、それでも夫としては、多額の退職金をもらっているのだからと、悠々自適だった。

 私はといえば、毎晩帰宅してから寝るまで、座る暇がなかった。当時はどうやってこなしていたのか記憶がないくらい、ハードモードな日々だった。

3回目の離婚宣告 そして初めての家事担当

 限界は突然来る。忙しくて座る時間もない私と、一日中ゲームをして、育児も家事も手伝わない夫。そんなある日、私の堪忍袋の尾が切れた。

「働かないし、家事も育児も一切しないなら別れて」と告げた。

 3回目の離婚宣告だ。

 そこから、夫は洗濯とゴミ捨てを担当するようになる。ほかのママ友に聞くと、そんなのじゃ足りないと怒られるのだけど、完全ワンオペだった私にとっては十分ありがたかった。

 料理はできなくともお惣菜を買ってこられるし、掃除ができなくとも家がきれいじゃなくなるだけで、私が帰ったときにまとめて掃除すればいい。

 私は仕事で不在のことが多く、多子世帯の我が家にとって一番大事なのは、洗濯とゴミ捨てと留守番であり、夫はそれをこなしてくれていたので、私的には満足だったのだ。

 その数か月後、リモートワークで仕事が見つかり、夫は在宅で働くようになっていった。

【重婚について】
刑法第184条では、すでに配偶者がいる者が別の相手と婚姻した場合を「重婚罪」と定めています。ただし、実際の現場では、意図的なものばかりでなく、外国との戸籍や手続き上の制度の違いや、ミス・誤認などによって、意図せず結果的に重婚状態になってしまうケースもあり得ます(清陵法律事務所・坂本尚志)。

(Rocco)

Rocco(ロッコ)

20年近い結婚生活で、次々に起こる波乱を、泣きながらも笑いに変えて乗り越えてきた。とくに、戸籍制度の落とし穴から生じた「国内重婚」という、聞いたこともない状況に直面し、検索しても事例が見つからず、孤立無援の中で悩んだ経験は大きい。実際の体験をもとに、戸籍制度とレジリエンスをテーマに綴っています。

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坂本 尚志(さかもと・たかし)

弁護士。清陵法律事務所所長。プロボクサー。東京大学法学部卒業。詐欺・消費者問題に注力。https://seiryo-law.com/